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不登校の生徒受け入れ 学びの多様化学校の開校から約4カ月

2024年7月30日 19:07
不登校の生徒受け入れ 学びの多様化学校の開校から約4カ月
テレビ宮崎

宮崎県内では、不登校の小中学生と高校生を合わせた人数が2022年度、2668人となり、年々増加しています。

こうした中、延岡市は今年4月、不登校の中学生を対象にした「学びの多様化学校」を県内で初めて開校しました。開校から約4カ月、生徒たちの表情に明るさが戻ってきました。

今年4月、延岡市が不登校の中学生を対象に開校した「南浦中学校学びの多様化学校分教室熊野江教室」。延岡市の中心部から車で約30分。熊野江小学校の校舎にあり、市内各地から9人が、バスなどで通っています。

生徒たちは、同級生や先生との人間関係や体調不良などが原因で、地元の学校に通うことが難しかったと言います。

(熊野江教室 3年生)
「関係が合わなかったりで、行きづらくなりました」
「人間関係等がうまくいかず、行けなくなりました」

熊野江教室では、通いやすい雰囲気を作ろうと、制服や校則はなく、生徒自らがルールを決めて、その意志を学校側が尊重しています。

(延岡市教育委員会 澤野幸司教育長)
「通常の学校に復帰するということではなくて、この学びの多様化学校の中で、自分らしい学びを見つけてほしいと考えた」

学校の特徴は他にも…。

授業時間の数は、標準より2割ほど少なく、国語や社会などの一般的な教科に加え、感情のコントロールなどを学ぶセルフマネジメントといった教科もあります。

指導に当たる先生は、生徒の考えや個性を尊重し、成績などを他の生徒と比較しないように心がけています。

(熊野江教室 工藤由布子教諭)
「言葉にすると周りが見ているので、ジェスチャーでその子にだけわかるようにGoodと伝えたりして、できるようになったと一歩ずつが味わえるように工夫している」

また、個別学習の時間もあり、学習支援ソフトを使って、自分のペースで苦手科目を学び直すことができます。

(熊野江教室 3年生)
「前までは勉強しようと思っても、何かわからないところが多くて、結局やめてしまうことが多いので、個別学習とかで一対一で教えてもらうことがあるので、やる気が出ます」

入学当初、生徒たちはそれぞれで昼休みを過ごしていましたが、今では、学年を越えた交流も生まれています。

(熊野江教室 3年生)
「前の学校は結構人数が多くて、人と関わることがあまりなかったんですけど、今回の学校は少人数なので、結構人と喋ることも多いので、結構楽しい気持ちになります」

ありのままの自分を受け入れてくれる学校。熊野江教室の大らかな雰囲気と尊重の姿勢が生徒たちの笑顔や前向きな言葉につながっています。

(熊野江教室 3年生)
「お母さんからも「この学校に通いだしてから明るさが戻ってきた」と言われて、ここに来て良かったと思います」
「自身が経験したことを糧にして、不登校の子たちも多分、今後出てくると思うので、カウンセラーみたいになれたらと思いました」

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