夏のトラブルに見舞われたらどうする?「熱中症」「水難事故」「夏の虫」応急救護や事前対策について専門家に聞いた
7月・8月に多くなる消防への通報の一つが熱中症。
消防庁によりますと、去年県内で熱中症により救急搬送された人は、7月が362人、8月が283人で、他の月と比べ倍以上増えています。
熱中症の初期症状は、めまい・立ちくらみや多量の発汗、こむら返りなど。
熱中症の応急処置
まず第一に涼しい場所、日陰などの涼しいところに移動し暑さから遠ざける。
エアコンがあるところに避難し、扇風機やうちわを使って風を当ててあげて身体を冷やす。
首の周りや脇の下、太もものつけねなどを氷や冷却剤を当て太い血管を冷やす。
症状が悪化し、嘔吐や意識障害 、痙攣などで会話が成り立たなくなったらすぐに119番通報しましょう。
普段からの心がけが重要
暑さを避けることが重要になります。
エアコン温度を下げたり、扇風機を適切に使用していただくことが大事。
涼しい格好で過ごし、喉が乾く前にこまめに水分をとってバランスの良い食事を 心がける。
水難事故 トラブル時の救護方法
- 倒れている方の肩を叩きながら「大丈夫ですか」など3回ほど呼びかける。
- 応答がない、わからない場合は周囲に助けを呼ぶ(119番通報 / AEDを探す)。
- 胸とお腹を見て10秒間数えて呼吸の確認を行います。
お腹や胸の動きがなかったり普段通りの呼吸がない、わからないようなことがあればそのまま胸骨圧迫に移る。
- 胸骨圧迫・・・胸骨の下半分に手のひらの手首に近い部分を当て、胸が5センチ沈む程度を垂直に圧迫します。胸骨圧迫を30回行う。
- 人工呼吸を行う ・・・おでこに手をそえ顎を指2本で保持して 頭を後屈させ、指2本で少し引き上げるようなイメージで軌道を確保する。この形を取った上で症状者の頭においている手で鼻をつまみ口を大きく開けて人工呼吸を行う。
人工呼吸に自信がない人は、胸骨圧迫のみでも良いそうです。
近くに「AED」があれば胸骨圧迫と人工呼吸に合わせ「AED」も行います
「AED」中も胸骨圧迫や人工呼吸を絶え間なく続けることにより、救命率も向上します。
インターネットやスマートフォンのアプリで「AED」の設置場所がわかるものもあるので、日頃から意識しておくことも大切です。
普段からの心がけが重要
一刻も早く救急車を呼ぶためにも、迅速かつ正確な119番通報が必要です。
自分がいる場所を正確に伝えられるように、事前に位置情報の確認・把握しておくこと、目立つような建物施設の名前の把握、またスマートフォンアプリで位置情報を伝える方法もあります。
宮崎市の応急手当研修センターや消防などでは応急救護の講習が受けられます。
また消防局では川や海プールなどで遊ぶ際には子どもから絶対に目を離さない、そして飲酒をすると判断能力や身体能力が正常ではなくなるため、お酒を飲んだら絶対に泳がないなど注意を呼びかけています。
夏の虫
夏の間は、毒を持っていたり触ると腫れたりかぶれたりする虫がいるので注意が必要です。
■イラガの仲間(桜・クヌギ・カシなど多くの植物に発生します)
通称電気虫と言われていて、電気が当たったような感覚の後かぶれていきます。
植木の下に落ちているフンが目印にもなります。
■スズメバチ
梅雨時期に女王バチが大きくなり、働きバチが生まれてどんどんどんどん大きくなっていきます。
刺されただけでもかなりの激痛がありショック状態になることも。
命を落とす危険性もあるので、なるべくならもう近づかない。
スズメバチが身の回りを飛んでいても払ったりせずその場から静かに離れることが重要です。
- 【話:大淀川学習館 日高謙次さん】
巣に近づくとぶんぶん回りを飛んで「 ここから先は来るな」という警告をします。さらに私たちが気づかずに行くと今度は顎でカチカチと鳴らして「これ以上来たら攻撃します」としっかり教えてくれるので、そうなった場合には動きを止めてそろりそろりと下がっていく。
■カミキリモドキの仲間
カミキリに似ているカミキリムシに似ている虫。
体がかなり柔らかく、潰れた時に汁が皮膚をかぶれさせるという危ない虫。
川や山などどこでも注意が必要です。
対策:知らない生き物にはまず触らない、半袖半ズボンで木の中には入らない。
- 【話:大淀川学習館 日高謙次さん】
生き物たちがいる自然の中にお邪魔しますということになるので、生き物たちのいる場所をこうやってちゃんと観察しながら自然を楽しんでもらいたいなと思います。
虫に刺されたり被れたりした時はすぐに水で洗ってきれいにして皮膚科を受診しましょう。