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“拉致”再調査は応じずも、協議継続で一致

2014年3月31日 19:10
“拉致”再調査は応じずも、協議継続で一致

 中国の北京で1年4か月ぶりに開かれていた日本と北朝鮮の政府間協議が終了し、拉致問題を含む政府間協議を継続することで一致した。現地から中村圭吾記者が報告する。

 北朝鮮側は、日本側が求めていた拉致問題の再調査には応じなかったものの、継続して協議を行うことでは一致、一歩前進した形。

 伊原アジア大洋州局長「拉致問題については、これまでの協議の議論を踏まえつつ、日本側の基本的な考え方について問題提起を行いました。双方は、今後も政府間の協議を続けていくことで一致をした。(拉致問題について)議論することを拒絶するというふうな対応ではなかった」

 協議終了後に会見した外務省の伊原アジア大洋州局長は、拉致問題を巡る北朝鮮とのやりとりについては、「全体の進め方に障害になることもある」として明らかにしなかった。

 焦点となっていた横田めぐみさんを含む拉致被害者の再調査については、北朝鮮側は実施の確約こそしなかったものの、今後も継続して協議を行うことには同意し、一歩、前進した形。このため、日朝双方は、次の政府間協議の開催に向けて調整に入ることで合意した。

 一方、31日の協議では、日本側は北朝鮮に対し、弾道ミサイルの発射に抗議した他、新たな形態の核実験を示唆する声明について遺憾の意を表明した。

 また、北朝鮮側から朝鮮総連本部ビルの競売問題について強い関心と懸念の表明があったという。この他、日本政府関係者によると、北朝鮮側から経済制裁について問題提起があったということで、日本側に一部解除を求めたものとみられる。

 日本政府は今回、拉致問題の再調査の実施までは引き出せなかったため、今後、経済制裁の一部解除もちらつかせながら、次の政府間協議などを通じ、粘り強く実施を迫っていく方針。