新たな出費……千葉県、宿泊税「1泊150円」を検討 税収額と使い道は? 東京都は48億円の税収見込み、Wi-Fi整備などに充当
宿泊客が支払う「宿泊税」について、千葉県が1人1泊150円を徴収する案を検討会に示しました。年間で42億円の税収を見込み、観光地へのアクセス強化や人材確保に充てられます。宿泊税は全国で導入が進みますが、どんな影響や課題があるのでしょうか?
藤井貴彦キャスター
「千葉県は、旅館やホテルに泊まった時に支払う宿泊税を導入しようという案を24日に示しました。1人1泊でプラス150円ということです」
「千葉というと、東京ディズニーランドや猛暑でも涼しい勝浦など観光名所も多くあり、宿泊客にとっては出費が増えることになります。どういうものなのでしょうか?」
「今回示された案では、外国人なども含めて一律定額で1人1泊プラス150円を宿泊税として徴収する、となっています。導入となれば、千葉県は年間約42億円の税収が見込まれるということです」
「東京都では20年以上前の2002年から既に導入されていて、宿泊料金に合わせて100円または200円(宿泊費1万円以上)が徴収されています」
「他にも、総務省などによると大阪府や福岡県、長崎市などで既に導入されていて、札幌市や沖縄県などでも導入が検討されています」
藤井キャスター
「宿泊税というのは、どう使われていくのでしょうか?」
小栗委員長
「例えば、東京都では今年度約48億円の税収が見込まれていて、Wi-Fi環境の整備や、外国人観光客を増やすための海外へのPRなどに使われています。以前は、こういった事業には都民の税金が充てられていましたが、宿泊客にも負担してもらおうということです」
「去年宿泊税を導入した長崎市では約3億円の税収が見込まれ、軍艦島などの世界遺産を紹介する施設を造るなど、観光の魅力をアップさせるために使うということです」
「今回導入を検討している千葉県は、観光地へのアクセスを強化するためにバスやタクシーを増やしたり、レンタカー料金の割引支援をしたりする他、不足している人材を確保するために従業員の寮の整備などをする予定だということです」
藤井キャスター
「ただ、今回は1人1泊150円で4人家族だと600円ということになります。そこまで高いとは思わなくても、負担に感じる方もいらっしゃるかもしれないですよね」
小栗委員長
「観光業に詳しい明治大学の飯田泰之教授は『数百円の宿泊税で個人の観光客が減ることはないだろう』とみています」
「その一方で飯田教授は『大人数で何度も宿泊するツアーの会社は、宿泊税をツアー会社で負担するところも出てくるだろうから、料金を値上げしたり宿泊先を変えたりする可能性もある』と話しています」
「また今回の(千葉県の)検討会では、宿泊業者から『定着するまでに問い合わせに対応しなければいけない』という意見なども出ていて、今後さらに検討を重ねていくということです」
藤井キャスター
「清水さんは海外も国内もいろいろな所に宿泊していると思いますが、このニュースをどう聞きましたか?」
清水希容さん(空手家・五輪銀メダリスト・『news zero』木曜パートナー)
「税金なので、使い道はきちんと具体的にしてほしいなと思いました」
「今まで海外のいろいろな所に行ってきましたが、海外の外国人観光客と国内の人とで価格を変えている所もあったので、海外の人が今後増えるのであれば上乗せして、国内の人たちに還元できるようなアイデアがあってもいいなと感じました」
(7月25日『news zero』より)