小池氏の勝因は?都政への影響は?記者報告
東京都知事選挙は先月31日に投開票が行われ、小池百合子氏が当選した。小池氏の勝因と今後の都政に与える影響について、都庁担当の久野村記者が報告する。
告示前日になってようやく構図が決まった今回の選挙。小池氏は自民党などへの対決姿勢を明確にし、高い知名度を生かして選挙戦を制した。小池氏は有力候補の中で最も早い6月29日に立候補を表明、各政党がなかなか候補者を擁立できない中、真っ先に選挙運動を始めた。自民党からは推薦されなかったが、選挙戦では組織からの支援を受けないことを強調し、都議会や自民党などと距離を置き対決姿勢を明確にした。
こうした選挙戦略は、舛添前知事の政治資金の使い方を巡る問題で自民党や都議会などの対応に不満を持っていた有権者から、一定の支持を得たと言えそうだ。またイメージカラーも“百合子グリーン”と呼ばれるなど話題となり、東京の選挙の勝敗を左右するとされる、特定の支持政党を持たないいわゆる無党派層に支持を広げた。
ただ新知事となった小池氏には、8000人を超える待機児童問題や首都直下地震などへの対策、そして4年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピックへの準備など、山積した課題が待ち構えている。
特にオリンピックは国を挙げた一大イベントで、世界中からも注目される。小池氏は選挙期間中、政権与党の自民党や都議会との対決姿勢を明確にしていたが、課題の解決には国や組織委員会、それに都議会などとの連携は欠かせず、今後の都政運営を不安視する声もある。
舛添前知事の一連の騒動の始めとなった公用車問題の発覚から約3か月。都知事選挙が行われるのはこの4年足らずの間で3回目。小池新知事には、失われた信頼をいかに取り戻し、停滞した都政を前に進められるのか、その手腕が問われている。