国家安全保障会議で情報収集 北ミサイル
29日午前6時前、北朝鮮がミサイルを発射した。首相官邸では安倍首相、菅官房長官のほか、河野外相、小野寺防衛相、麻生財務相が入って国家安全保障会議を開き、情報収集と分析にあたった。
北朝鮮は今年に入って弾道ミサイルの発射を10回以上繰り返しているが、日本の上空を通過したのは去年2月以来ということになる。安倍首相は「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と危機感をあらわにしている。
ただ、北朝鮮が発射を予告したグアムに向けた大陸間弾道ミサイルではなかったことから、政府高官は「アメリカを意識しつつも、あまり引かないということだろう」と話している。
河野外相は「南に向けて打てばアメリカが対応したことを考えれば、北朝鮮がそれに少しひるんだということではないか」と分析している。
日本政府の中には金正恩委員長が「少し様子を見る」と話したことに期待する見方もあった一方で、政権幹部が「北朝鮮が簡単に核を放棄するとも思えず、チキンゲームが続くのではないか」と話すなど警戒を続けてきた。北朝鮮の挑発行為は今後、どのような方向に向かうのか。首相官邸は強い緊張感に覆われている。