森友学園問題“根拠不十分”に、与野党は?
森友学園への国有地売却をめぐる問題で、会計検査院は22日午後、「国が見積もったごみの量の算定方法や値引きの額の根拠が不十分」だとする報告書を公表した。今回の報告に対する政界の反応を、国会記者会館から青山記者が伝える。
■安倍政権側の受けとめ
政権側からは、真摯(しんし)に受けとめて対応すべきだとの声が出ている。
自民党・岸田政調会長「国民の皆さんの中にまだ疑念とか説明を聞きたいという思いがあるなら、それにしっかり政府はこたえていかなければならない」
公明党・山口代表「誠意を持って受け止めた上で、今後の対応に生かすべきだと思います」
一方で、安倍首相や昭恵夫人のこの問題への関与について、政府・与党内では、これはもう財務省と森友学園の話だという声が大勢だ。
自民党のベテラン議員は、「これは既に司法の手続きに入っていて、官邸が絡む話ではない」と話している。財務省出身の議員も「これ以上材料がないから、この先、長続きする話じゃない」と楽観している。
■野党側の反応は
一方、野党側は、土地取引に違法性もあるとして、27日から予定されている予算委員会でも追及する構え。
希望の党・玉木代表「国の財産は適正な対価をもって譲渡または貸し付けなければならない。法律違反の可能性が出てくる、そういうおそれがあります。もう1つは国会答弁との齟齬(そご)です。適正にやってきたということを、何度も何度も当局はお答えになっていた」
民進党・増子幹事長「この問題はしっかり質疑していくことが必要だと思いますし、国民の皆さんに明らかにする責任が、国会にはあると思います」
また、文書管理のあり方の改善を求められたことについて、内閣府公文書管理委員会の委員はこう話している。
公文書管理に詳しい三宅弘弁護士(話)「売買過程の記録がないことは、明らかな公文書管理法違反。今後は、財務省の規則を改正して全ての公文書が保存できるよう対応してほしい。もし対応できないなら公文書管理法そのものの改正に取り組まざるを得ない」
今回の会計検査院の報告を受けて、安倍政権、安倍首相がどのように説明していくのか、疑念をはらせるのかが大きな焦点となる。