首相、金永南氏の席へ 初の接触…今後は
韓国を訪れている安倍首相は9日夜、平昌オリンピックの開会式に先だって、北朝鮮の金永南氏と言葉を交わした。安倍首相が北朝鮮の最高幹部と直接、接触するのは、金正恩体制になってから初めて。
韓国メディアは文大統領主催のレセプションの様子を写真付きで報じている。安倍首相が同じテーブルに着いていた金永南氏の席に出向き、話しかけている。会話を交わした事実は韓国の大統領府がいち早く公表した。
安倍首相「詳細に申し上げられませんが、(金永南氏に)我々の考え方を伝えました」
安倍首相は拉致問題や核・ミサイル開発の問題をめぐって考えを伝えたと話しているが、具体的なやりとりは明らかにしていない。
官邸関係者によると、2人が同じテーブルになることは事前に知らされていたということで、安倍首相はオリンピックの機会を利用して北朝鮮高官との非公式の接触に踏み出した形。
これについて政府・与党内には「同じ場にいるのに何も抗議しない方がおかしい」と安倍首相の判断を理解する声が出る一方、この時期の接触が北朝鮮や国際社会にどのようなメッセージを与えるか懸念する意見もある。
安倍首相と北朝鮮高官との今回の接触が拉致問題などの解決に少しでもつながるのか。これまでの圧力一辺倒の路線に変化はないのか。大きな焦点となる。