岸田首相、COP28で“脱炭素”アピール…鍵は“日本発”の次世代「太陽電池」
中東・ドバイで開かれている気候変動問題について話し合う国連の会議「COP28」で、岸田首相は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをアピールしました。その鍵を握るのは、日本発の技術を使った次世代の「太陽電池」です。同行した森記者のリポートです。
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岸田首相(1日、アラブ首長国連邦・ドバイ)
「排出削減、エネルギーの安定供給、経済成長の三つを同時に実現するGX(グリーントランスフォーメーション)を加速させ、世界の脱炭素化に貢献します」
世界の脱炭素化に貢献する具体策のひとつとして、再生可能エネルギーをあげた岸田首相。実はいま、日本発の技術を使った次世代の「太陽電池」である、「ペロブスカイト」太陽電池が注目されています。
この太陽電池は薄くて軽く、曲げることもできるので、今まで設置できなかった場所にも取り付けることができます。様々な自治体や企業が実用化に向け動き出していて、東京都は今年5月、下水道施設で実証実験を開始しました。
今回のCOPにも日本企業が出展し、モデルハウスでガラスと太陽電池が一体となった“発電するガラス”の実証実験を行っていることをアピールしていました。
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日本が力を入れる理由について、ある政府関係者は、「日本発というメリットを生かし、国内のGX化に加え、アジアへの輸出にもつなげたい」と狙いを説明します。
しかし、世界では研究開発競争が激化していて、特に中国が、多くの企業や大学が特許取得を進めるなど存在感を増しています。ある政府関係者は、「中国の猛追があるからこそ、今、もう一度アクセルを踏んで競争を勝ち抜きたい」と話しています。
脱炭素化で狙い通りに世界をリードできるのか。岸田首相には、国際舞台で打ち出した戦略を結果に結びつけられるかが問われています。