外務省が公開した外交文書で、1993年当時の宮沢首相がアメリカのクリントン大統領とソ連崩壊後のロシアや中国について話し合っていたことが明らかになりました。

公開された外交文書によりますと宮沢首相はアメリカで行われた日米首脳会談でクリントン大統領に対し、ロシアのエリツィン大統領の日本訪問を調整していることを説明していました。

この中で宮沢首相は「領土問題にはあまり深入りしすぎないように気をつけなくてはならない」などと発言していたことが明らかになりました。ソ連崩壊後のロシアと関係を構築しようとする中で宮沢首相が同盟国アメリカに配慮している様子がうかがえます。

また、クリントン大統領から中国について意見を求められた宮沢首相が「中国経済が発展していけば軍事的な野心を発揮する余地は十分ある」「中国は当分は脅威ではないが、そうなる可能性を秘めている」と述べていたこともわかりました。

さらに今回、宮沢首相向けに外務省が作成した資料も公開されましたが、北朝鮮との交渉をめぐる記述は一部が黒塗りにされ、明らかになりませんでした。