【解説】10万円の商品券、なぜ配布? 石破首相「違法性はない」 身内からは“退陣”求める厳しい声
石破首相が自民党の新人議員に10万円相当の商品券を配っていたことが明らかになりました。身内の自民党からも「退陣すべき」と厳しい声があがっています。この「10万円の商品券配布問題」について、次の3つの疑問を中心に、政治部官邸キャップの平本典昭記者が解説します。
1.10万円商品券…なぜ渡した?
2.「身内」自民党も批判のワケ
3.どうなる?石破首相の進退
鈴江奈々キャスター
「まず1つ目。政治とカネの問題で不信感がまだまだある中で、なぜ石破首相は新人議員に商品券を渡したのでしょうか?」
政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「なんで、そんなことを…と思いますよね。実は今回の10万円の商品券、大手百貨店の紙袋に入った商品券だったそうですが、受け取った新人議員の中には『これはまずい』と思って返却した人もいたんです」
「世の中の『感覚』からして『これはまずい』と思ったんでしょう。新人議員側の関係者は取材に『違法性とかでなく、面倒なことに巻き込まれたくなかった』などと話しています。逆に言えば、石破首相の行為は『世間の感覚』とずれたものだったと言わざるを得ません」
「なぜ送ったのか。理由について、石破首相自身はこう話しています。『新人議員は生活に苦労も多いだろう、ご家族も苦労が多いだろう』と。自民党のトップとして新人をねぎらいたかったのだ、と」
「石破首相の周辺はこう説明しています。『石破茂さんの政治の師は田中角栄元首相。田中政治で学んだのが、政治家として先輩が後輩の面倒をみるという点だったのでは』と、いうのです」
平本キャップ
「渡した理由。裏を返すと、なぜ、事前に止められなかったのか?という点も大事です。ある自民党ベテラン議員は『これはアウトだと言える人間が周りにいなかった』と指摘しています。石破首相の弱点の1つとして『側近がいない』という指摘があります。石破首相のチームを作る力の弱さが、未然に防ぐことができなかった要因の1つと言えそうです」
鈴江キャスター
「そもそもこういった行為は石破首相に限ったことなのでしょうか?」
平本キャップ
「与野党の議員を幅広く取材しました。結果、政治家が政治家に何かを贈る行為。多くの議員が『自民党、野党問わず、食事をした時にお礼の品を贈ることはある』と話しています。ただ、何より今回は政治とカネの問題で厳しい目が向けられる中、『10万円の商品券』を渡したことには、あらゆる方面から『不適切にもほどがある』という声が多くあがったわけです」