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備蓄米の落札結果は…コメは安くなる?農家「下がらない」専門家「4月か5月から下がり始めるのでは」安くなってもムラがある可能性も

2025年3月14日 18:08
備蓄米の落札結果は…コメは安くなる?農家「下がらない」専門家「4月か5月から下がり始めるのでは」安くなってもムラがある可能性も

 今週月曜日(10日)に入札が始まった政府備蓄米の落札結果が、まもなく発表されます。焦点となっているコメの価格は下がるのでしょうか。

 価格の高止まりが続く日本人の主食・コメ。

 滋賀県高島市のコメ農家、兼田治雄さん。田んぼは、昨年の秋の稲刈りを終えたままで、来月から作付けを始めるといいますが…

 兼田治雄さん
「買い付けというよりか、今でも買いに来てはりますわ。外国の人も来てはりますし。いろんな方面の人が買いに回ってはりますね」
(Q:それは例年と?)
「全然違います。もう雰囲気は変わってますね」

 作付け前から需要が急増しているコメ。今後、安定的に供給されるのでしょうか。

 江藤農水相
「(備蓄米を)21万トン放出されても、まんべんなく均等にうまくコメが行き渡らないのではという懸念は、委員会でも言われた。ごもっともなご指摘だと思います。義務化はできないわけですよ。たくさん買っちゃだめよとか」

 “買い占め”が問題視される中、備蓄米は放出され、まもなく消費者の元へ届きます。

 今週月曜日から始まった備蓄米15万トンの入札には、全国のJAなどの業者60団体ほどが参加しました。高い金額で入札した業者が落札し、その後、備蓄米は卸売業者へと流れます。
 早ければ今月下旬にも一部のスーパーや外食業界など、大手を中心に卸されるとみられています。

 希望した入札量の約9割を落札した業者は…

 JA福井県 米穀販売課・高山祐一 課長代理
「大部分を落札できましたので、ほっとしているところです」
(Q:店頭価格の引き下げになる?)
「そうなっていくのではないかなと思っていますけど、 どれくらいの水準になるかは私どもはわからない」

 コメの値段はどこまで下がるのか。生産者に伺うと…

 コメ農家・兼田治雄さん
「備蓄米も高い方に売るとなっていますよね。高く入札すればそれだけ卸業者に高く行くし、卸業者から小売りに行ったら、段々値段が上がってくると思う。(コメの価格は)さほど下がらないのでは」

 備蓄米の落札結果について、政府はまもなく公表するとしています。

◇◇◇◇◇

(中谷しのぶキャスター)
 いよいよ、備蓄米の落札結果が公表されるということですが、コメの価格がどこまで下がるのか、気になる点ですよね。

 振り返ると、いまコメの価格は、このようになっています。
 9週連続で右肩上がり、値上がりが続いています。
 今は5キロで4000円近く、3952円となっています。1年前は2030円でした。

 では、放出される備蓄米の内訳を詳しく見ていきます。
  今回は15万トンです。2024年度産のコメ10万トンと、2023年度産のコメ5万トン、合わせて15万トンが今回放出されます。
 品種としては「コシヒカリ」「あきたこまち」などが挙げられています。

 その流通ルートです。
 今回は、JAなど集荷業者60団体が入札に参加しています。そしてきょう、量と価格が発表されます。15万トンのうちどれだけの量が落札されるのか、どれくらいの価格になるのかが注目です。

 私たちの手元にわたる卸売・小売・スーパーなどで並ぶのは、 今月下旬から来月頃になるのではないかと見られています。

 では、注目の落札価格です。

 専門家(宇都宮大学の小川真如 助教)は、このように話しています。

「60キロあたり2万2000円以下ならば、よい水準ではないか」
「4月か5月頃から、スーパーで価格が下がり始めるのではないか」
「たとえば5キロなら、3800円ほどになれば、今回、備蓄米を放出した効果があるのではないか」ということです。

 今回は、値下がりと言ってもムラがあるものになる可能性があるということです。

 例えば、種類によって差が生まれるんではないか。「ブレンド米」は安くなる可能性があると。単一の銘柄確保は難しいので、ブレンドして販売される可能性が高い。つまり、いわゆる「ブランド米」単一のコメは価格低下が実感しにくい可能性があるということです。

 また地域によって差があるのではないかと。今回、入札対象となったコメの産地は、東日本が多いので、私たちの西日本に届くまでには輸送コストがかかって、価格が下がりにくくなるのではないかという指摘もあります。

(横須賀ゆきの解説委員)
 あまりにも高くなってしまったんですけど、農水省の江藤大臣が、原則1年で買い戻すと。この言い方が値が下がらない一因であるから、 いやいや原則がついてるから1年以内じゃないよ、もっと先になるかもしれないよってことを盛んに言っているんです。そうやって、価格を下げようとしている。

 もう一つが、備蓄米の放出量も、価格が下がらなければもっとたくさん放出するかもしれないよと言って、価格を下げようとしている。このあたりで、いかに価格が下がってくるかというのも一つポイントになってきます。

(中谷キャスター)
 その後、安定して下がり続けるかも注目となりそうです。

最終更新日:2025年3月14日 18:08
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