【中継】初登院した福岡選出の議員たちに聞く 少数与党の国会「緊迫感が増している」「政治が動いていると実感してもらう」
総理指名選挙が行われた11日、朝から国会取材を続けているFBSの吉原記者と中継がつながっています。吉原さん。
■吉原美樹記者
はい。特別国会が召集され、午前中は議員バッジなどの手続きで、長い行列ができていました。初登院した地元議員たちは記念撮影をするなど終始、晴れ晴れとした雰囲気ではありましたが、当選を重ねた自民党議員からは「与党が過半数割れという状況で、これまでよりも緊迫感が増している」といった声が聞かれました。
■吉原記者
「午前7時半です。開門まであと30分ありますが、すでに議員、そして報道陣が多く集まってきています。」
■国民 比例九州ブロック・許斐亮太郎衆院議員
「ちょっとドキドキです。政治の信頼回復、政治が動いているなということを実感してもらう。そのような政治、判断を行っていきたいと思っています。」
午前8時に正門が開かれると、議員たちは一礼をして次々と国会に入っていきました。
日本維新の会の村上智信議員は福岡11区で、自民党のベテラン武田良太元総務大臣を破り、初当選しました。
■維新 福岡11区・村上智信衆院議員
「これから、いよいよ議員として日本を良くする仕事ができるということで、自分の気持ちも高まっております。」
自民党の栗原渉議員も福岡5区で初当選しました。立憲民主党から議席を奪還したことについて。
■自民 福岡5区・栗原渉衆院議員
「この3年間をできるだけ早く取り戻せるように、仕事で地元にも国に対してもお返しをしていきたい。」
一方、当選回数を重ねた自民党の議員たちは、これまでとは異なる「空気」を感じていました。
■自民 福岡4区・宮内秀樹衆院議員
「緊迫感といいますか、緊張感は今までよりも増している。」
10月の衆議院選挙では自民・公明で過半数を割り込みました。少数与党としては、野党側の協力が不可欠な状況です。
■自民 比例九州ブロック・鬼木誠衆院議員
「自民一強みたいな、言われた時代もありますが、真逆の状況ですから。国民の中に、自民党は国民の声をしっかり聞けよということがあると思うので、そういう意味では野党の声もしっかり聞きながら丁寧に運営していきたい。」
議席を大幅に伸ばした野党第1党の立憲民主党は。
■立憲 福岡10区・城井崇衆院議員
「今までは数の力で原案通り可決となったわけですが、今回からはそうはいきません。野党側からの提案・対案について、きちんと織り込みながら修正議決などをしていくということが大切になってきます。」
総理大臣指名選挙をめぐっては、少数与党のため、無所属の議員の動向にも関心が寄せられていました。
■無所属 福岡9区・緒方林太郎衆院議員
「最後の最後まで、いろんなところからお誘いがあったとしか言いようがないのですが、その中で、きょうの首相指名については、会派の仲間ともよく相談した上で投票していきたいというふうに思います。」
そして、30年ぶりに決選投票にもつれ込んだ総理指名選挙では、石破茂氏が第103代首相に指名されました。石破総理にとっては、これからも難しい国会運営が続くとみられます。
■吉原記者
先ほど、動向が注目されていた無所属の緒方林太郎議員に話を聞きました。1回目の投票と決戦投票どちらも、無所属議員のグループ「有志の会」の代表に票を投じたということです。
決選投票では、立憲民主党以外の野党でも、自ら所属する党の代表に票を投じた議員が多くいたとみられています。これは結果として「石破首相」の選出を容認する形になったと言えます。
自民党はこれから少数与党での国会運営を強いられることになりますが、自民党所属の鬼木衆議院議員は「何を進めるにも一筋縄ではいかない。とにかく厳しいものになると感じている」と危機感を強めていました。
■松井礼明アナウンサー
「野党側の地元議員からはどんな声が聞かれましたか。」
■吉原記者
はい。野党第1党の立憲民主党は今回、予算委員長や法務委員長など複数のポストを手にしました。これについて、立憲の城井衆議院議員は「与党と野党が歩み寄って、ぎりぎりの議論をする“熟議の国会”になっていくだろう」と話しています。これまでは与党の原案通り法案が可決されることがほとんどでしたが、今後は、野党側の提案などを一定程度織り込みながら進めなければ、国会の停滞を招く可能性もあります。
いわゆる“103万円の壁”など国民の関心を集める政策協議がスタートしたばかりで、今後の議論の行方が注目されるところです。以上、中継でした。