12月から“建物火災”最多の季節 「火事だ!」同時にすべき3つの行動 出火原因2位はたばこ、1位は?【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「相次ぐ火災…命を守る行動は?」をテーマに解説します。
「東京・文京区で起きた火災のニュースもありましたが、27日午後8時半すぎにも、神奈川・川崎市川崎区の14階建てマンションで火災があり、高齢の夫婦とみられる2人が亡くなりました」
「28日は東京都心で湿度が10%台まで下がるなど、乾燥が気になる季節にもなりました。近隣にも多くの人が住んでいる地域で共同住宅の火災が相次いでいるのは怖いですよね」
菅原解説委員
「消防庁によると、アパートやマンションなど共同住宅での火災は、去年1年間で3712件起きています。こうした火災で208人の方が亡くなっています。決して他人事ではない、いつ身近にあってもおかしくない話です」
「備え・防災アドバイザーの高荷智也さんに聞きました。共同住宅、自宅や近隣で火災が起きた時、やらなければならないことが3つあるといいます。まずは火災を知らせる。周りの人に大きな声で呼びかける、非常ボタンを押す、速やかに119番通報するなどです」
「2つ目は、初期消火を試みること。火が天井まで達していないようなら、消火器などで消せる可能性があります。ただし決して無理をせず、命をかけないでほしいということです」
「3つ目は避難する。消火が難しい、煙がすごい時はためらわずに避難することが大事です。この3つは同時にやる必要があるそうですが、1人では難しいので、周りの人に声をかけながら行うのがポイントです」
鈴江奈々アナウンサー
「それだけ時間との勝負ということでもありますよね」
菅原解説委員
「マンションやアパートでは、初期消火や避難に関わる設備がどうなっているか日頃からの確認が大事だといいます。住んでいるマンションの防災設備を確認したことはありますか?」
桐谷美玲キャスター
「マンション全体で確認する機会はありますが、私は参加できてはいないですね」
森圭介アナウンサー
「時間が合わなかったりしますよね」
忽滑谷こころアナウンサー
「私は長く住んでいるので、消火器や非常ボタンの位置は分かっていますが、いざ火災が起きた時に正しく使えるかというと、ちょっと不安があります」
森アナウンサー
「住み始めて短い賃貸住宅などでは、確認が済んでいない方もいるかもしれませんね」
菅原解説委員
「まず意識していただきたいのが、皆さんが住んでいる建物が何階建てで、自分がどの階に住んでいるかということです」
「まずは、火災の発生を感知すると自動的に水をまいて初期消火するスプリンクラーについて。壁や天井への放水で延焼の拡大を抑える役割もありますが、消防庁によると原則11階以上の部屋に設置が義務付けられています」
「次に、はしご車が届かない場合に火災が発生している階まで水を送るための連結送水管について。原則7階以上の建物や、延床面積6000㎡以上の5階以上に設置が義務付けられています」
「建物が建設された時期や構造によっては条件が異なる場合もありますが、皆さんもご自身の建物をチェックしてみてほしいです」
忽滑谷アナウンサー
「7階以上や11階以上という設置条件が出ましたが、それより下の階に住んでいる人はどうしたらいいのでしょうか?」
菅原解説委員
「高荷さんによると、まずは初期消火に備えて消火器を買っておくことです。マンション・アパートの消防訓練などできちんと使えるように練習しておくのが大事だといいます。いざ本番という時に実際に使えるのかどうかが大切です」
「次に火災警報器ですが、皆さんのお部屋にありますか?」
森アナウンサー
「私は戸建てに住んでいますが、あります。チェックもしています」
菅原解説委員
「火災警報器は各家庭に設置が義務付けられているものです。台所や寝室など、個人が自分で家に付けなさいというものです。改めて、もし付いていなければ戸建て・マンション・アパート問わず、自分で買って命を守るようにしてほしいです」
鈴江アナウンサー
「脱衣スペースにある火災警報器がお風呂の湯気で鳴ってしまったことがあってびっくりしたんですけど、きちんと作動するんだという確認にもなりました。こういったものが作動できる状態かどうかも大事ですよね」
菅原解説委員
「火事が起きた時に備えるのも大事ですが、家が火事にならないようにどこに気をつければいいのでしょうか。去年、戸建て・マンション・アパートを含む建物火災で何が原因で出火したのか。消防庁のデータでワースト5を見てみます」
「5位は放火(1140件)。4位は配線器具(1310件)で、たこ足配線で大きな負荷がかかった状態で束ねた電源コードから火花が飛ぶ、電源コードが机やたんすなど重い家具に踏みつけられた状態で断線したまま使い続けて炎が出て、燃え広がるといった危険があります」
桐谷キャスター
「子どもの頃に祖母の家でたこ足が爆発して火花が出たことがあって、結構怖かった覚えがあります。それ以降は気をつけるようにしていますね」
森アナウンサー
「コンセントにほこりがたまると出火するということもあります。大掃除の季節ですから、そういったところも確認したいですよね」
菅原解説委員
「容量を超えたたこ足は危険ですし、電源コードは丁寧に扱い、束ねたまま使わないようにしてほしいです」
森アナウンサー
「『こんなところから火は出ない』という思い込みが火事の一歩になってしまうかもしれませんからね」
菅原解説委員
「建物火災の原因、3位は電気機器(1688件)で、充電式電池や電子レンジなどの家電などによる火災。2位はたばこ(1925件)で、依然として多いです。吸う方は灰皿に吸い殻をためすぎず、消火を念入りに確認してください」
「そして、出火原因の第1位はこんろ(2769件)です。天ぷら火災をはじめ油を使う料理での火事もありますが、高荷さんによると、袖口に火が触れて服に火が着く『着衣着火』が高齢者に多いといいます」
菅原解説委員
「裾や袖が広がった寝巻などでこんろに近づかない、そもそも火が着きにくいIHこんろにかえるのも予防策の1つだといいます」
鈴江アナウンサー
「料理をするのは日常的なことですし、暖房器具を使う季節にもなってきましたから、十分気をつけたいですね」
菅原解説委員
「毎年12月から建物火災が最も多い季節に入りますので、命を守る備えを今、しっかりとお願いします」
(2024年11月28日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
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