“値上げの波”水道代にも──背景に老朽化・資材高騰 豆腐店も困惑…千葉は30年ぶり20% 節水のコツは【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「水道料金 なぜ値上げラッシュ?」をテーマに解説します。
山崎誠アナウンサー
「値上げの波がいろいろなもので続いていますが、水道料金にも押し寄せてきました。千葉県の熊谷知事は21日、水道料金を20%程度値上げする方針を明らかにしました。20%は大きいと思いますが、例えば2か月で6500円の家庭の場合、7800円になります」
「県営の上水道が使われている浦安市・市川市・鎌ケ谷市の全域と、千葉市・市原市などの一部地域が対象です。この値上げは2026年度をめどに行う方針で、決定すれば約30年ぶりの値上げとなります」
鈴江奈々アナウンサー
「この30年ほど値上げがなかったのに一気に値上げがやってくるんだ、と住民の方は思うでしょうね」
桐谷美玲キャスター
「とはいえ、水は生きていく上で絶対に必要なものですからね」
鈴江アナウンサー
「生活に欠かせないですよね」
山崎アナウンサー
「30年価格が据え置かれていたと思うこともできるでしょうが、その分、今回値上げに踏み切った分の幅は結構大きかったとも捉えられます」
「市川市の豆腐店に27日、取材しました。この豆腐店では2か月で3万円~4万円ほどの水道代がかかっているそうで『2割の値上げは正直驚いた』と話していました。今年の7月に既に、原材料の高騰で豆腐の値段を20円上げて180円にしたそうです」
「『もし水道料金が上がったら180円から200円に値上げしないといけない』と困惑されていました」
森圭介アナウンサー
「一般家庭から見れば、自分の家の水道代が上がるだけではなくて、水をたくさん使う商品も値上がりするので、ダブルで値上がりを感じる方もいるかもしれませんね」
山崎アナウンサー
「自分の家庭以外で値上がりを感じる部分があるかもしれませんね。水道料金の値上げは千葉県だけではありません」
「大阪・豊中市では上下水道が来年2月、約20~30%値上げとなります。値上げとなるのは約20年ぶりということです。山口市は来年4月から平均15%の値上げ。静岡・浜松市も来年の秋に平均20%の値上げが検討されています」
忽滑谷こころアナウンサー
「千葉県だけはでなく、いろいろな地域で値上げがあるということで、エリアはバラバラですが、なぜ相次いでいるんですか?」
山崎アナウンサー
「場所は離れていますし、共通するものは少ないですよね。値上げの理由の説明の前に、水道料金が何に対して使われているか、どういったところに回っているかご存じですか?」
桐谷キャスター
「水をきれいにするとか?」
森アナウンサー
「浄水場、浄水施設ですね」
鈴江アナウンサー
「きれいにして、それを流す管とか。水道管を維持するのにもお金がかかりますよね」
山崎アナウンサー
「国土交通省ホームページで水道料金のざっくりとした内訳を確認します。水をきれいにして送り届けるための費用が44%。水質の検査や、水を送るための電気代などもここに含まれます」
「残りの56%は施設をつくり、維持するための費用です。施設は浄水場や水道管などですが、老朽化したら新しくつくりかえる必要があります」
「まちを歩いていて工事の様子を見たことがあるという方がいらっしゃると思いますが、千葉・佐倉市で去年あった水道管工事では、40年以上前に埋められた水道管を新しいものに交換していました」
山崎アナウンサー
「水道料金の値上げの主な理由ですが、こうした設備を新しくするために必要な資材の価格が高騰しているからです。それは一部の地域に限った話ではありません」
「国交省の資料によると、国が定めている老朽化の目安は40年ですが、2020年度の時点で40年以上経過している水道管が全国で20.6%ありました」
「老朽化したものは工事が必要です。避けられない工事が多くありますが、いつもよりコストが上がり、料金を値上げするしかないという状況だった、というのが理由です」
森アナウンサー
「日本の水の使用量全体を見ても、1990年代後半をピークに下がっています。人口減や節水意識で水を(かつてより)使わなくなっている。そうすると水道料金を(以前よりは)払わないので、こういったコストを払うのがより大変になってきますよね」
山崎アナウンサー
「そこで賄われているわけですからね。値上げはどうしても仕方がない部分はあるということで、水道料金をなるべく抑えるために、千葉県が紹介している節水の方法があります」
「歯磨きの時、流しっぱなしにすると1分間でペットボトル6本分、約12リットルの違いが出ます。これをなくすと、全国平均の料金(1リットルあたり0.2円)で1日1分30日で単純計算すると月に72円の節約になります。1分以上かける方はもっと変わります」
「台所では、水の出る量を調整して野菜や食器をため洗いにすると、1日に節水できる量はペットボトル40本分、約80リットル。月に480円節約できます」
鈴江アナウンサー
「毎月積み重ねて1年では結構な額になりますよね。災害時などに断水すると、水のありがたみを感じるという声を聞きます。水は大切に使いたいなと、改めて思いました」
山崎アナウンサー
「水を使わないという選択肢はなかなか取れないので、水道の値上げはつらいことですが、家計を守るためにも大事に使うことを意識していきたいと思います」
(2024年11月27日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)