夏に向けて注意! 「短時間の大雨」 アンダーパスが冠水…災害を疑似体験して“備え”も
日本の南の海上を進む台風3号が梅雨前線を刺激し、12日は四国から関東にかけて広く雨が続きました。台風3号は、12日夜遅くには伊豆諸島と小笠原諸島の間を通過する見込みです。一方、夏に向けて注意が必要なのは、短時間の大雨です。大雨や地震などの災害を疑似体験できる防災施設で、スタッフが“都市型災害”を体験してみました。
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12日、愛知県半田市にある亀崎駅のホームでは、雨の影響で屋根から水が流れ落ちる状況になり、ホームが水浸しになっていました。
現在、台風3号が日本の南の海上を進んでいます。刺激された梅雨前線により、四国から関東にかけて広く雨が続きました。こうした雨に警戒感が高まる中、東京・大田区の住宅街では…
記者
「午前11時過ぎの東京・大田区ではポツポツと冷たい雨が降り続いています。そして、崩壊のおそれがある共同住宅には大きくシートがかけられていて、上からパイプでシートが落ちないように支えられています」
この共同住宅では、大雨が降った今月3日に土台の崩落が起きました。その後、補強工事が行われましたが、7日には、つるしてあったシートがはずれる勢いで石が転がる様子も見られました。
被害の拡大を防ぐため、大田区は緊急対策として雨よけのブルーシートを設置していますが、12日も近隣住民からは不安の声が聞かれました。
近隣住民
「気持ちとしては恐怖でしかない」
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10日、北海道の登別市では住宅のコンクリートブロックの壁などが崩れ、土砂が流出する被害がありました。登別市は12日、現地調査を開始しました。
土砂が流出した原因はなんだったのでしょうか。登別市では9日に、まとまった雨が降り、一時、大雨注意報が発表されていました。近所の人によると「被害があった住宅では、以前から敷地内の土砂が下の住宅に流れ出していた」といいます。
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台風による大雨で異変も起きています。12日、アユ釣りスポットとしても知られる静岡市の興津川では――
興津川非出資漁業協同組合 前澤元次組合長
「真っ茶色ではないけど濁りが入って、興津川でアユ釣りをするみなさんにとっては、ちょっとこれでは竿を出せないなっていう状況」
大きな要因となったのは、去年9月の台風15号です。大雨で大量の土砂や流木が川に流れ込むなどし、護岸工事が終わらない中、先月にはアユ釣りが解禁されましたが再び、台風2号による大雨に見舞われました。ブルーシートがかけられた部分には土のうがあったといいますが、大雨で流されてしまったといいます。
興津川非出資漁業協同組合 前澤元次組合長
「土砂の堆積というのがなくなる状況になるのが、まだしばらくかかるかなと」
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今後、夏に向けて注意が必要なのは、短時間の大雨です。
大雨や地震などの災害を体験できる防災施設「東京消防庁 本所防災館」(東京・墨田区)では「実際に体験することが災害への備えになる」と話します。
本所防災館 北村真二さん
「常に自分にも起こり得るということを、感じることが大事だと思います。ぜひ、こちらに来て体験していただきたい」
たとえば車で走行中、“アンダーパスが冠水する”などして身動きがとれなくなってしまった場合、水圧がかかりドアを開けるのは困難になります。スタッフが体験してみると、わずか水位10センチの場合でも、両手で押して、ようやくドアが開く状況でした。
スタッフ
「結構重いです」
冠水などの場所に近づかないことが大前提ですが、普段から“窓ガラスを割る道具”を常備しておくことが重要だということです。
気になる台風3号、12日夜遅くには伊豆諸島と小笠原諸島の間を通過し、13日には温帯低気圧に変わる見込みです。