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消毒剤補充で「塩素ガス」発生か 異臭…9人搬送、約140人が避難 広島市のクリニック

2024年9月3日 5:51
消毒剤補充で「塩素ガス」発生か 異臭…9人搬送、約140人が避難 広島市のクリニック

2日朝、広島市のクリニックで異臭が発生し、患者とスタッフ9人が病院に搬送されたほか、約140人が避難しました。異臭の原因について夕方、クリニック側が説明しました。

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平和記念公園からもほど近い、広島市の中心部。現場となったクリニックには多くの消防隊員や警察官らが駆けつけていました。

当時クリニックにいた人
「『避難してください』って、非常階段を使って誘導してくれた。ちょっとにおいがあるって感じた人もいたみたい」

隣接する病院にいた人
「何事が起こったんかなと。息・のどが苦しいとかいうのは聞きました」

通報があったのは、2日午前9時半ごろ。

職員(通報)
「薬剤を混ぜたので、塩素のようなものが発生したかもしれない」

異臭騒ぎが起きたのは、透析治療などを行う「中島土谷クリニック」。

患者2人、スタッフ7人が、のどの痛みなどを訴え、別の病院に入院しました。全員意識があり、重症ではないということですが、クリニックにいた140人全員が隣接する病院に避難する事態に。

この日の夕方、クリニック側が会見を行いました。

医療法人あかね会 土谷治子理事長
「ご迷惑をおけしましたこと、深くお詫(わ)びをいたします」

「異臭の原因は透析装置を消毒する消毒剤の補充に誤りがあった。次亜塩素酸ナトリウムと酢酸が反応したと考えています」

消毒剤を補充する際に「次亜塩素酸ナトリウム」と「酢酸」が混ざり、「塩素ガス」が発生した可能性があるといいます。

吸うと息苦しくなるなどの中毒症状が、引き起こされることもある「塩素ガス」。消防の調査で、塩素に近いものが現場で検知されたことも明らかに。

──2種類の液を混ぜて消毒するのは普段と違う?

中島土谷クリニック 森石みさき院長
「間違えて混入してはいけない。手順を間違えたんだろうと考えています。近い場所にはあるが、明らかに容器は違うと確認している」

補充作業は普段から1人で行っていて、2日は10年以上勤務しているスタッフ1人が担当。そのスタッフも入院したといいます。

化学物質に詳しい専門家は…

長岡技術科学大学 斎藤秀俊教授
「量を少し間違えた程度で、反応が一気に進むようなものではない。(次亜塩素酸ナトリウムに)酢酸を大量に入れてしまったのかなと推測できる」

また、「塩素ガス」の発生は家庭内でも起こりうるため、注意が必要だと指摘します。

長岡技術科学大学 斎藤秀俊教授
「例えば次亜塩素酸ナトリウム、 漂白剤なんかの容器には『混ぜるな危険』というふうに、でかく書いてあるんですね。絶対に混ぜて使わないというのが、家庭内の事故を防止するための1番のやり方」

(9月2日放送『news zero』より)