「過去最低」日本の温室効果ガス排出量 世界初“海藻”や“環境配慮型コンクリート”の吸収量を国連に報告
2022年度の日本の温室効果ガスの排出量がコロナ禍で減少した2020年度を下回り、過去最低を記録しました。
環境省が12日に発表した2022年度の日本の温室効果ガスの排出量は前の年度よりおよそ2900万トン少ない約11億3500万トン(以下、数値はいずれもCO2換算)でした。
森林などによる吸収量は約5020万トンで、排出量から吸収量を差し引いた実質の排出量は約10億8500万トンとなり、コロナ禍で減少した2020年度を下回り、過去最低を記録しました。
部門別では、旅行需要の回復などで運輸関連のCO2排出量は増加しましたが、節電などの効果で工場や家庭などからの排出量が減少しました。
一方で、人工林の樹齢が高くなり温室効果ガスの吸収力が低下していることから、吸収量は前の年度を6.4%下回っています
この吸収量について日本は今回、世界で初めて新たな種類の温室効果ガス吸収量を算定し国連に報告しました。
1つは、昆布やワカメといった「海藻」の藻場による吸収量です。
海草の藻場の吸収量と合わせ約35万トンと算定しました。
もう1つは「コンクリート」による吸収量です。
排出ガスに含まれるCO2をコンクリートに固定したりCO2を吸収させた物質をコンクリートに混ぜ合わせたりした「環境配慮型コンクリート」によるCO2固定量についても新たに温室効果ガス吸収量として算定し約17トンと報告しました。
伊藤環境大臣は温室効果ガスについて順調な減少傾向としながらも、「今後の削減の進捗についても予断を許さない状況」と話し、引き続き再エネの導入やライフスタイルの転換などの施策に取り組むとしています。