ナゼ?小学校卒業式で袴姿 禁止する学校も
大学ではなく、小学校の卒業式に“はかま姿”で出席する子供が増えていると話題になっている。なぜ、小学校の卒業式ではかまが人気となっているのか取材した。
■“はかま姿”ネットの反応は?
今週から来週にかけて全国各地の小学校でピークを迎える卒業式。晴れ舞台の卒業式でみられたのは、はかま姿の子供たち。いま、はかま姿で卒業式に参加する小学生が増えている。
ネットでは「華やかだなー」「わたしの頃はみんなブレザー」「『成人式並みだな』とびっくり」という声も。なぜ小学校の卒業式ではかま姿が増えているのだろうか。
16日、夜明け前の朝5時ごろ、名古屋市内の公民館。この日、卒業式を迎えるたくさんの小学6年生が、はかまの着付けを行っていた。着付けを行っているのは写真スタジオを運営しているお店。着付けを始めた4年前はわずか6人だったが、今年は170人にまで増えているという。
増えている理由について“アクエリアス”スタイリストの工藤さんは「当店が着付けを始めたのは4~5年前からなんですけど、ファッションリーダー的な子がはかまを着て卒業式に出たのを5年生の子が“まねしたい”と、どんどん連鎖的に増えていった感じですね。親も自分たちが大学の時に着たのを思い出して子供にも着せたいという形ですね」と話す。
■理由は…親心と映画が影響
いまでは定番となった大学の卒業式でのはかま姿。自分が体験したはかま姿を子供にもさせてあげたいと思う親も多いという。
さらに“ちはやふる”みたいな着物はないですかという問い合わせが結構あったという。16年の春に上映された競技用カルタを題材にした映画「ちはやふる」。広瀬すずさんのはかま姿に憧れてはかまを選ぶ小学生も多いという。
料金は着物のレンタルと着付けがセットになったもので3万円~6万円だということだ。晴れ舞台を前にはかま姿で写真撮影する子供も増えている。神奈川・横浜市にある撮影スタジオでは着物の貸し出しも行っていて小学校の卒業式シーズンは成人式よりも忙しいという。
写真撮影に訪れたのは、卒業式を控えていた小学6年生。友達同士の2人組。2人ともおそろいの紺色のはかまに花柄の着物を選んだ。こうした“双子コーデ”もはやりだという。はかまや和服は様々な柄や色が選べ、写真映えすることも卒業式で選ばれる理由になっているということだ。
■過剰になりすぎ?禁止する学校も
一方では「ちょっとお金がかかりそうだと思った」「はかまを着るのはすごく良いと思うけど、過剰になりすぎて違う方向に行くのは残念かなと」いう声も聞かれた。
実際に神奈川県や愛知県などの一部の公立学校では、経済的な理由で衣装にお金がかけられない子供もいることなどから“華美な衣装は控えるよう”にと呼びかけたり、“はかまを禁止にする”学校も出てきている。着付けを行っていた店でも派手になりすぎないように気をつけているということだ。
■工夫すれば費用を抑えられる
こうしたブームでレンタル費用が大きな負担になることが心配されるが、工夫して費用を抑える人もいた。去年、小学校を卒業した藤田さんのはかまは、七五三の時の着物を再利用したという。
手直ししたのは母親で子どもの身長は伸びているが、着物の裾の丈ははかまをはくため、手直しする必要はなかったという。肩の部分は、糸をほどいて生地を伸ばし、その糸をほどいて袖の長さを調整したということだ。