袴田さん弁護団“検事総長談話は名誉毀損”国を提訴へ
59年前の事件で再審無罪となった袴田巌さんに対し検事総長が出した談話が、袴田さんを犯人視するもので名誉毀損(きそん)に当たるとして、弁護団が国を提訴する方針を固めました。
1966年、静岡県旧清水市で一家4人が殺害された事件をめぐり去年9月、静岡地裁はやり直しの裁判で捜査機関の証拠のねつ造を認定し、袴田巌さんに無罪判決を言い渡しました。
この判決に対し、検察は控訴を断念しましたが、畝本直美検事総長は談話を発表し、「本判決は多くの問題を含む到底承服できないもので控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容と思われます」と強い不満をあらわにしていました。
これを受け弁護団は12日に開かれた会議で、「談話は袴田さんを犯人視する内容で名誉毀損に当たる」として、国に損害賠償を求める訴訟を起こす方針を固めたということです。
去年11月、静岡地検のトップ・山田英夫検事正は袴田さんに直接謝罪していますが、判決については「ねつ造認定はおかしく、承服しがたい」と主張し、談話の撤回はしませんでした。