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【解説】能登半島地震 3年の群発地震活動エリアから活動範囲拡大

2024年1月8日 21:14
【解説】能登半島地震 3年の群発地震活動エリアから活動範囲拡大
1月1日に発生したマグニチュード7.6の大地震から1週間。国内で過去におきた大地震に比べても、地震回数は多く推移している「能登半島地震」。気象庁は今後も1か月程度は、震度5強以上の地震に注意を呼びかけています。3年続いた群発地震との違いは?社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース

■元日に能登地方で大地震 石川・志賀町で震度7沿岸では津波被害も

1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とする地震があり志賀町で震度7、七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町で震度6強、新潟県長岡市などで震度6弱の揺れを観測しました。震源は石川県能登地方、地震の規模を示すマグニチュードは7.6、震源の深さは16キロでした。一時、大津波警報も出され、輪島港で1.2メートル以上の津波を観測、北海道から九州地方の日本海側の広範囲に津波が到達しました。

■能登半島北部の「群発地震域」 広範囲に震源域が拡大

能登地方では2020年12月以降、能登半島北部の浅いところを震源とする群発地震がおよそ3年にわたって発生、2023年5月5日にはマグニチュード6.5の地震が発生して珠洲市で震度6強を観測しました。2020年12月から2023年12月までの3年で、震度1以上の有感地震は506回観測していました。

今年1月1日に震度7の地震が発生した後は、能登半島の広いエリア、さらに能登半島の北東側の海域にも地震活動域が広がっています。1日にはマグニチュード6.1の地震で最大震度5強、6日は最大震度6弱となる地震が従来の群発地震活動のエリアと異なるエリアで発生しています。

今回の地震活動エリアに活断層を重ねた図です。能登半島の北側の沿岸には活断層があることが知られていますが、今回の震源断層およそ150キロはそれに沿うような形で広がっています。震源断層は、陸地の地下だけでなく、海域にも分布していて、津波を発生させたとみられています。地震翌日におこなわれた、政府の地震調査委員会の臨時会合では活断層の議論もされましたが、現在のところ、どの断層が地震を引き起こしたのか、はっきりとしたことは分かっていません。

■150キロに及ぶ震源断層 時間経過と地震活動は?

この図は、時間経過と余震がどのような場所でおきているかを示したものです。能登半島の広いエリアで地震がおきていて、6日も能登半島の西側の海域を震源とする浅い地震で震度6弱の揺れとなっています。

■北海道南西沖地震に“匹敵” 内陸型地震では地震回数トップクラス

国内でおきた陸のプレートでの主な地震回数の比較です。(マグニチュード3.5以上)

一般的に大きな地震がおきると、時間経過とともに地震は、減少していきますが、なかには余震活動が活発なものもあります。「2024年能登半島地震」では、8日午前9時までに452回の地震が発生、地震が多かった1993年の「北海道南西沖地震」に次ぐ回数となっています。

地震が多い理由について、地震の規模が大きかったこと、震源域が約150キロと広く、震源が浅い地震のため、活発な地震活動になっているとみられます。

■今後の注意点は

地震の専門家で、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんによりますと、依然として地震活動が活発なため新たな崖崩れや家屋の倒壊に注意してほしいとしています。また建物が大きく損傷しているため、できる限り安全な場所で過ごしてほしいと話しています。さらに海域での大きな地震が発生した場合には、津波にも十分な注意が必要です。

気象庁は8日午後、会見を開いて今後の地震の見通しについて説明をおこない、「今後1か月程度、最大震度5強程度以上の地震に注意してほしい」としています。

また2023年12月までの、一連の群発地震活動に比べて地震活動の範囲は広がって、広範囲で強い揺れを観測しているということです。海底で大きな地震おきれば津波にも注意してほしいとしています。