6月は“睡眠の質”低下──「働くために休む」には 波瑠さんが体験「立ち寝で仮眠」効果は? 医師に聞く…現代人の睡眠法
睡眠の質が低下するとも言われる6月。仕事中にリフレッシュをするさまざまな取り組みがなされる中、俳優で『news zero』火曜パートナーの波瑠さんが、立ったまま寝る仮眠ボックスを体験。また、寝づらさを解消するためのコツなどを医師に聞きました。
東京・世田谷区にあるショールーム・蔦屋家電+に、縦長のボックスが置かれていました。立ったまま寝ることができる仮眠ボックスです。
中に入った波瑠さんは両ひじを台に置き、ひざを曲げて立ちました。「こんな姿勢とは思えないくらい、どこもつらくなくて、ちゃんとリラックスできますね」と驚きました。
これは北海道の企業「広葉樹合板株式会社」が開発した「ジラフナップ」。ポイントは、熟睡しすぎない仮眠です。立ったまま寝ることで、軽い寝息をたてる程度の睡眠状態を保ち、起きた直後でも素早く仕事に復帰できるといいます。
「寝られます!絶対寝られます!」と期待を膨らませる波瑠さん。「ちゃんと起こしてくださいね」と、顔を伏せました。
数分後。体験を終えた波瑠さんは「すごい落ち着きます。横になれないときって、机で変な形で寝ると痛くなりますが、そういうのが全然ない。(撮影)現場にあってほしいですね」と言いました。
実際、既に導入したところもあります。三重・桑名市の長島中部保育所。すやすや眠る子どものそばにいる保育士は、気を抜けない日々を送っています。その保育士が、昼休憩に仮眠ボックスを利用していました。
保育士(20代)
「みんながいる空間でなかなか寝るっていうのができなかったので、1人の空間でゆっくりできるなって思います」
常に気を張っている状態だからこそ、1人になって仮眠をとる時間が大切だといいます。
働く人の束の間の仮眠をめぐっては、新たな取り組みもあります。
東京・大手町のオフィスビルの中にある、シェアする休養室「とまり木」(三菱地所による実証実験)。このビルの周辺にある25社で働く約2600人が利用でき、使える時間は1日15分(一部を除く)です。
専門商社で働き、シェア休養室を利用する30代に聞きました。「軽くうとうとして、気持ちいいなってとき、ちょうど時間が来るみたいな感じで」と話します。
波瑠さん
「『寝ちゃった』ってなるより、すっきりしてまた(仕事に)戻れる?」
30代
「そうですね。午後頑張るためにこの時間休憩すると、より働けるという気持ちがあります」
クリエーティブ業の50代は「週に2~3回、来られるときは来ようかなと。短い時間だけど自分にとってはリフレッシュできる」と言います。
短時間で心も体もリフレッシュできるという、シェア休養室。
提案した、丸の内運営事業部の担当者に波瑠さんは「仕事をするだけの場所ではなく、必要に応じたケアができる場所とか休める空間があると、働きたいなって思ってもらえますもんね」と伝えました。
担当者
「働くためにちゃんと休む。集中力、パフォーマンスを高めるために当たり前になってくれるといいなと思います」
OECDによると、先進国33か国の中で一番睡眠状態が短いのは日本です。睡眠医学に詳しい西多昌規医師によると、中でも6月は寒暖差などの影響から、睡眠の質が下がりやすいとも言われています。
特に寝不足になりがちなこの時期、どうすればいいのか。波瑠さんが西多医師に聞きました。
波瑠さん
「働いている方って、すごく疲れていても体が疲れているとは限らないと思います。私は睡眠が浅くなるのを感じますが、寝づらさを解消するためにできることはありますか?」
西多医師
「現代人は、体よりも心が疲れる。心が疲れるということは、脳が過剰に活動してしまっているということでもあります。夜の活動から寝るまでに、トーンダウンする時間があることが必要ではありますね」
波瑠さん
「忙しく働いた直後には、すぐに休息に体は入っていけないということですよね」
さらに、短時間の仮眠も大切だといいます。
西多医師
「昼間はどうしても、眠気の波が来てしまうものです。無理に起きているよりも、短時間の仮眠、一般的には15~30分以内、寝過ぎない仮眠によって午後リフレッシュ感が出ます」
(6月11日『news zero』より)