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手足口病「警報レベル」……前倒しで流行ナゼ? “感染症ドミノ”に要注意 医師「免疫回復に3~4週間」【#みんなのギモン】

2024年6月8日 13:07
手足口病「警報レベル」……前倒しで流行ナゼ? “感染症ドミノ”に要注意 医師「免疫回復に3~4週間」【#みんなのギモン】
子どもを中心に夏に流行する感染症「手足口病」。各府県の患者数は警報レベルを超え、早くも流行に入っています。その背景に何があるのか、医師に聞きました。また症状が改善した後に別の感染症にかかる“感染症ドミノ”にも注意が必要だといいます。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「“夏の感染症”前倒しナゼ?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●大人もつらい手足口病
●“感染症ドミノ”どう防ぐ?

■大阪の手足口病、5年ぶり警報レベル

近野宏明・日本テレビ解説委員
「夏に流行する感染症が、今年は例年よりも前倒しで増えています。既に流行し始めている手足口病について、大阪府では6日、患者の数が5年ぶりに警報レベルに達したと発表しました」

「1つの医療機関で1週間の患者報告数が5人を超えるかどうかが国の基準となっていますが、5月27日~6月2日で大阪府は6.11人。兵庫県では5.71人、宮崎県で5.75人と、それぞれ警報レベルを超えています」

■7県でも警報の基準値を超える流行

近野解説委員
「その他の地域でも流行しています。国立感染症研究所のIDWR速報データでは、5月20日~26日の分が最新の報告ですが、群馬・福井・奈良・高知・愛媛・大分・鹿児島と7つの県で警報の基準値を超える事態になっています」

鈴江奈々アナウンサー
「こんなに手足口病が流行しているって知ってました?」

森圭介アナウンサー
「全く知らなかったです。夏風邪というと、RS(ウイルス感染症)だったり手足口病だったり、何かしら流行するなというのはありますけど、まだ6月で早いなという気もしますね」

鈴江アナウンサー
「森さんの周りでは?」

森アナウンサー
「あまり聞いていないですね」

近野解説委員
「私の周りのevery.のスタッフのお子さんは既になっています。ぽつぽつ現れているんですよ」

鈴江アナウンサー
「私の子どもの小学校では溶連菌の流行があると報告があったんですけど、いろいろ流行する中でも、(手足口病が)特に前倒しになっているという傾向があるんですか?」

近野解説委員
「そうなんです」

■手足や口の中に水泡状の発疹が

近野解説委員
「今流行し始めている手足口病は通常、子どもを中心に夏に流行する感染症ですが、大人がかかることもあります。名前の通り、手足や口の中に水泡状の発疹が現れ、発熱することもあります。特に口の中に発疹ができると、痛みで飲んだり食べたりがつらいです」

森アナウンサー
「私の子どもはかかった時、水も飲めないと泣いていました」

近野解説委員
「かわいそうな、本当に痛々しいですよね。飛まつや接触などで感染し、ほとんどの方は数日で症状は治まります。まれに、髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあり、重症化する恐れもあります」

■東京都の流行、年によって異なる時期

山崎誠アナウンサー
「夏に流行するということですが、確かに気温は高くなってきていますけれども、夏本番には早いと思います。流行の時期はどうなんですか?」

近野解説委員
「東京都のデータはどうでしょうか。東京都感染症情報センターによると、1医療機関あたりの患者の報告数は、おととしは6月の終わりごろから一気に増え、去年は8月の終わりごろから流行し始めました。今年はさらに前倒しして、5月下旬ごろから流行し始めています」

刈川くるみキャスター
「年によってバラバラですが、今年特に早い理由はあるんですか?」

■早期の感染拡大に「ウイルス干渉」も

近野解説委員
「都内にある、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に聞きました。今年は夏を迎える前から平年より全国的に気温が高いことが背景にあるのでは、ということです。4月のうちから夏日になるような日が続いていましたからね」

「さらに、早い時期から感染が拡大する理由としては、あるウイルスが大流行していると他のウイルスの流行が抑制される『ウイルス干渉』という考え方があります」

「去年はヘルパンギーナや咽頭結膜熱が大流行した一方、ウイルス干渉によって手足口病は比較的少なかったです。そのため、手足口病に対する免疫力が低下している人の比率が高いので、今年は手足口病が夏風邪流行の口火を切ったのではないかと考えられます」

森アナウンサー
「反動ですね」

鈴江アナウンサー
「ウイルスの流行には勢力図みたいなものがあるんですね」

■30代男性、インフルから回復後に…

近野解説委員
「さらに心配なのが、治ったと思っても別の感染症に感染するという患者が増えているといいます」

「実際に、いとう王子神谷内科外科クリニックを受診した人の様子を見てみます。4日、発熱などを訴えて30代の男性が受診に来ました。10日ほど前にインフルエンザにかかり、回復したところだったそうです。伊藤院長はこう診断していました」

伊藤院長
「いったん回復したものの、病み上がりに次のヘルパンギーナに感染し、免疫力・抵抗力が落ちていて、今はヘルパンギーナののどの痛みと細菌による気管支肺炎が併発している状態だと思います。普通に風邪をひいたのとだいぶ違う重症感があるんだと思います」

近野解説委員
「続けて別の感染症の症状が出てきたということで、まさに“感染症ドミノ”だったわけですが、このクリニックには毎日1人か2人ほどは“感染症ドミノ”ではないか、という患者さんがいらっしゃるそうです」

「今年は溶連菌もとても多くて、溶連菌とヘルパンギーナなど、他のウイルスに入れ替わり立ち替わり、長いと1~2か月何度も感染するというようなことが起こりやすくなっているそうです」

■病み上がりに無理をするのは禁物

森アナウンサー
「1つの感染症にかかっただけでも大変なのに、治ったと思ったらまた違う症状が出てという繰り返しで、気もめいっちゃうと思います。どうして1つかかって、ドミノのようにすぐ次のものにかかってしまう人がいるんですか?」

近野解説委員
「いろんな要因が考えられるようですが、伊藤院長によると、症状が改善した後すぐにハードな生活に戻る方が多いということも考えられます」

「どうしても仕事を休んだ後に『挽回しないといけない』と、病み上がりでもたまっていた仕事を片付けるために残業や時間外労働といった無理をしてしまう方も多い。特に今は人手不足でもあります。家事や育児も途切れないので、頑張るしかない」

「熱が下がっていても本当の意味での回復、免疫が回復するのには3~4週間かかる。これを忘れないでください、と伊藤院長は話しています」

山崎アナウンサー
「1か月弱ということですよね?」

森アナウンサー
「そんなに休めない…。本当はそれくらいかけてゆっくりしないといけないということですね」

近野解説委員
「この時期に寝不足や、お子さんなら部活動や習い事などでハードな生活にすぐ戻ってしまうと、体は弱っているので他の感染症にかかることも多い。病み上がりの3週間は徐々に回復することに専念し、元の生活にゆっくり戻してほしいと伊藤院長は言います」

刈川キャスター
「回復にこれだけ時間がかかると自分で分かっていると、つい頑張りすぎてしまう人も、セーブしたり自分の体をいたわりやすくなったりするかもしれませんね。ただ、まずかからないようにするためには、今何ができるんでしょうか?」

■手を清潔に…洗い方とタオルに注意

近野解説委員
「感染症と呼吸器疾患が専門の、日比谷クリニック・加藤哲朗副院長に聞きました。まずは、手を清潔にすることです」

「アルコール消毒は、ウイルスの種類によっては効果が劣る場合があります。例えば胃腸炎を起こすノロウイルスや手足口病、ヘルパンギーナの原因ウイルスは、アルコールが効きにくいとされています。石けんを使って流水でしっかり手を洗うのが効果的です」

「家庭内での感染を防ぐためには、手を洗った後のタオルには要注意だそうです。共用のタオルから感染が拡大した実例があるそうです。家庭内に手足口病などの人がいる場合は、できればペーパータオルを使うたびに捨てるよう気を付けてください、ということです」

鈴江アナウンサー
「流行しやすい時期はこういったことで気を付ければいいと思いますが、かかってしまう時はかかってしまいます。そんな時は無理しないのが大事ですよね」

近野解説委員
「そうですね。睡眠時間はお子さんなら最低8時間とり、栄養もしっかりとることも大事だということです」

鈴江アナウンサー
「皆さんも酷使しているかもしれませんが、ベースの体を大事にしてください」

近野解説委員
「特に、これから蒸し暑くなって汗をかきます。かと思うと梅雨寒もこの後控えてくる季節です。とにかく体調管理にご注意ください」

(2024年6月7日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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