【解説】鳥インフルエンザ カンボジアで少女が死亡 “新型インフル”になる可能性は…
カンボジアで11歳の少女が鳥インフルエンザに感染し亡くなったことが分かりました。日本でも、人に感染する可能性はあるのでしょうか。
・感染者、約半数が死亡
・日本で殺処分1400万羽超え
・いつまで続く?
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
鳥インフルエンザで死亡したのは、カンボジア・プレイベン州に住む11歳の少女です。
少女の自宅周辺では、保健省の職員により家屋や鶏小屋などを消毒したり、ゴミを燃やしたりと感染拡大を防ぐ措置がとられていました。
AP通信によると、少女は2月16日に体調を崩し、病院に搬送されました。症状は39℃の高熱のほか、せきや喉の痛みがあったといいます。そして、6日後の22日に死亡したということです。
WHOによると、少女の父親もその後に鳥インフルエンザの感染が確認されていますが、無症状だということです。また、感染経路などについては現在、調査中だといいます。
鳥インフルエンザに感染し死亡する事例は、これまでも報告されています。
今回、死亡した少女が感染していたのは「H5N1型」です。2003年以降、世界21か国で確認されています。感染者数は873人で、そのうち458人の死亡が報告されています。
人に感染すると重症化しやすく、死亡率も高いというところまでは分かっています。
一方で、日本ではこれまで発症した人は確認されていませんが、鳥インフルエンザ自体は現在、国内で猛威をふるっています。
今シーズンの国内での発生件数は去年9月に神奈川・伊勢原市で確認されて以来、35都道県での279事例にのぼっています。記録的なペースで拡大していて、過去最多の約1478万羽もの鳥が殺処分されました。そのため、卵が入手困難になったり、卵を使った商品の値段が上がったりとさまざまな影響も出ています。
そして、東京都内でも5年ぶりとなる発生が確認されています。
2月17日、東京・日野市の多摩動物公園で飼育されていたツクシガモが鳥インフルエンザだと確認されました。動物園は、カモがいた池で飼育していたすべての鳥の安楽死処置を行うとしています。その後、ツルの陽性も確認されており、27日時点で臨時休園となっていて再開の見通しはたっていません。
鳥インフルエンザに詳しい北海道大学大学院・獣医学研究院の迫田義博教授によると、これだけ発生数が多い今の日本でも、人への感染が起きてもおかしくないといいます。
鳥インフルエンザの感染経路を確認します。