【解説】ギャンブル依存症 どんな人が?“愛好家”との違いは? 依存症は「脳が“機能異常”を起こしている状態」
ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告が大谷選手の口座から不正に送金したとされる事件の裁判で、日本時間15日未明に水原被告の罪状認否が行われます。
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「この『依存症』は“周囲を巻き込んでゆく病気”といわれていまして、自分がやっていなくても、家族や友人がパチンコやパチスロなどにのめり込み、抜けられなくなっているかもしれません」
「ギャンブル依存症を研究する久里浜医療センターの調べでは、ギャンブル依存症疑いの人は全国に約200万人もいるということです」
「最近では違法な『オンラインカジノ』をきっかけに、学生や20代の若者が陥るケースが増えていて、借金を作るケースも多いということです」
波瑠さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「そんなに誰でも手が出せる場所に(ギャンブルが)あるんですね」
藤井貴彦キャスター
「そうなると、自分は(ギャンブル依存症に)ならないと思っていても、のめり込んでくる人が出てくるかもしれません。どんなタイプの人が多いのでしょうか」
小栗委員長
「ギャンブル依存は性格が原因になるものではなくて、誰でもなる可能性はあります。ただ“なりやすい人”というのはいまして…」
「『幼少期や青年期からのギャンブル体験』、それから『家族がギャンブルの問題を抱えている人』、そしてよく“ビギナーズラック”といいますが『初期に大勝ちした経験』がある人は、ギャンブル依存症になりやすいことがわかっています」
藤井キャスター
「『ギャンブルが好き』と言う人はいますが、『ギャンブル依存症』との違いはどのあたりにあるのでしょうか?」
小栗委員長
「はい。実は明確な違いがあります。久里浜医療センターの松下院長によると、いわゆる『ギャンブル愛好家』は、仕事や家庭生活に問題はなくて、のめり込むのを我慢することができます」
「一方、『ギャンブル依存症』の人は、コントロールが利かない、やめると決めてもやめられない。これは“脳が機能異常”を起こしていると考えられています」
藤井キャスター
「つまり、本人の意志が弱いのではなく、“脳の機能の問題”なので病気とされているということですね」
小栗委員長
「はい。依存症かも…と思ったら『ギャンブル依存症問題を考える会』の田中代表らが開発したチェックリストがあります」
「いずれもギャンブルをするときに『予算・時間を決めない』、勝ったときに『次のギャンブルに使おう』、負けたときに『すぐに取り返したい』と考える、そして『ギャンブルしたことを隠す、ウソをつく』。このうち2つ以上当てはまったら、ギャンブル依存症の可能性があるということです」
藤井キャスター
「もちろん、自分のことをチェックすることもできますが、家族や友人がのめり込んでいるのではないか…という状況があったら、どうしたらいいのでしょうか」
小栗委員長
「たとえば、大阪府ではギャンブル依存症に悩む人向けに無料のスマホアプリを提供していて、『ギャンブル依存度チェック』や、1回の賭け金や時間の目標を決める『ギャンブル日誌』を利用することができます。また依存症対策全国センターでは、全国の相談窓口や医療機関を探すことができます」
藤井キャスター
「随分、根が深いように感じますが、波瑠さん、どう思いますか?」
波瑠さん
「1人でやめようと思ってもやめられないのですよね。やめようとしたけど失敗したなという気持ちになってしまうのだとしたら、1人で頑張ろうとせず、風邪をひいたら病院に行くような感じで、きちんと治療を受けてほしいと思います」
藤井キャスター
「お伝えしたように、本人にも制御できないのが依存症、つまり病気なので、責めるのは逆効果だということです。『心配しているよ』と伝えて、相談や治療につなげてほしいと話しています」
(5月14日『news zero』より)