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【解説】東京で3年ぶり「はしか」確認 ウイルス“最強の感染力”…マスクだけで「防げず」

2023年5月16日 20:30
【解説】東京で3年ぶり「はしか」確認 ウイルス“最強の感染力”…マスクだけで「防げず」

東京都で、3年ぶりに男女2人が「はしか」に感染したと確認されました。はしかは、「ウイルスの中で最も強い感染力を持つ」と言われています。どのようにして感染したのでしょうか。

●同じ空間にいるだけで…
●ワクチンに年齢差
●連休明けは注意

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■感染者に“共通点” インド帰りの感染者と同じ新幹線に…

東京都で、はしか感染者が確認された経緯を見ていきます。

最初に感染が確認されたのは、茨城・つくばみらい市在住の30代男性です。男性は先月14日、インドから帰国しました。その1週間後の21日に発熱やせきの症状が出て、23日には発疹が現れたといいます。

そして、先月23日に新幹線など公共交通機関を使って、兵庫・神戸市から茨城まで移動しました。その翌日に医療機関を受診し、27日に感染が確認されました。今月16日の時点では回復し、退院したということです。

そして、この茨城の男性の感染が確認されてから約2週間後の今月12日、東京都は新たに、都内在住の30代女性と40代男性の感染が確認されたと発表しました。2人は軽症で、16日時点で入院中です。

この3人には面識がなかったとみられていますが、“ある共通点”がありました。

先月23日、最初に感染が確認された茨城在住の男性が乗っていたのが、新神戸駅から午後9時33分に東京駅に到着した「のぞみ50号」の9号車です。3人は、この同じ車両に乗り合わせていたのです。東京都は、都内の2人は茨城の男性から感染したとみていて、同じ新幹線を利用した人は健康状態に注意するように呼びかけています。

■「はしか」感染力はウイルスで“最強” 同じ空気を吸うだけで…

はしかは感染すると、約10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が現れます。発熱が2~3日続いた後に39℃以上の高熱が出て、口の中に白い斑点が出たり、赤い発疹が現れたりします。

1週間から10日ほどで回復しますが、怖いのが合併症です。肺炎、中耳炎といった合併症を引き起こしやすく、脳炎になることもあります。死亡する割合は、先進国でも「1000人に1人」と言われています。

感染力はウイルスの中で「最も強い」と言われていて、手洗いやマスクの着用だけでは予防はできません。飛まつ感染、接触感染だけでなく「空気感染」もするため、はしかを発症している人と同じ空気を吸うだけで感染することがあります。

免疫を持っていない人が感染すると、「ほぼ100%発症する」ということです。例えば、“免疫がない集団に1人の発症者がいたとして、この人から何人に感染するか”というと、インフルエンザの場合は“1~2人”ですが、はしかは“12~18人”に感染するとされています。

■「定期接種」世代により違い 51歳以上は特に注意

手洗い・マスクでは予防できないので、免疫の有無が重要になります。一度感染して発症すると「一生、免疫が持続する」と言われていますので、小さいころにかかったことがあるかを確認してみてください。

また、気をつけたいのが予防接種です。過去に2回予防接種を受けていれば、大幅に感染リスクが下がります。ただ、国が接種を推奨する「定期接種」となっていたかは世代によって違うので、注意が必要です。

厚生労働省によると、2000年4月2日以降に生まれた人は、定期接種として2回のワクチン接種を受ける機会があります。それ以前に生まれた人は、定期接種としては1回だったか(※国の措置で2回の人も)、もしくは接種の機会がなかった人(※1972年9月30日以前生まれ)となっています。定期接種ではなかった、51歳以上の人は特に注意が必要だということです。

■予防接種の免疫が“低下”している場合も

私たちが16日、神奈川・川崎市にある新ゆり内科の高橋央院長を取材すると、気になる指摘もありました。

高橋院長によると、予防接種の免疫はそれほど強くないため、2回接種していても時間がたつと免疫が低下している場合もあるそうです。

クリニックには、留学や海外赴任などの前に抗体検査を受けるために来院する人がいます。6歳ぐらいまでに予防接種を2回していても、高校生や大学生でもすでに免疫が低下してしまっている人がいたといい、30代・40代ではすっかり免疫がなくなっている人もいたということです。

このため、特に東南アジアなどの流行地域に行く人は事前に抗体検査を受けて、予防接種をするなど対策をとることも有効だといいます。

高橋院長によると、海外で感染してくるケースが多いということです。はしかが流行している東南アジアなどに行って感染し、ウイルスを持ち帰ってきてしまうそうです。

高橋院長のクリニックでも今月、はしかに感染した人が1人確認されたそうです。患者は中年の男性で、インドネシアを出張で訪れ、帰国直前から体調不良を感じ、その後発熱しました。血液検査などを帰国直後にしたところ、インドネシアで流行しているはしかのウイルスが検出され、保健所に届け出たといいます。

大型連休に海外旅行に行った人も多いです。連休明けは特に注意が必要だということです。

厚労省は16日の会見で、患者と接触があったり海外から帰国後にはしかを疑う症状があったりした場合、受診の際は公共交通機関の利用を控え、必ず事前に医療機関に連絡し、医師の指示に従ってほしいとしています。

(2023年5月16日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)