世紀の天体ショー 各地で日食始まる

21日朝、世紀の天体ショーが始まった。九州南部から四国、近畿、東海、関東と福島県の一部にかけての広い範囲で、太陽が月に隠れて光り輝くリングのように見える「金環日食」となる。「金環日食」は日本で25年ぶりで、広い地域で観察されるのは932年ぶり。
21日午前6時過ぎ、東京で太陽が欠け始め、午前7時には「部分日食」の状態となっている。東京などでは、午前7時半前後に金環日食となる。
日食は太陽と月、地球が一直線に並び、太陽が月に隠れる現象。「皆既日食」は、月と地球が近い位置関係にあるときに地球から見ると月が手前に大きく見えるため、太陽が完全に隠れる。
今回の「金環日食」では、それより遠い位置関係にあるために、太陽が隠れきれずに月の周囲からリング状にはみ出して見える現象。
また、太陽の一部だけが月に隠される状態は「部分日食」と呼ばれる。21日は、「金環日食」が観察できない地域でも、日本各地で「部分日食」を見ることができる。
日本での「金環日食」の観測は、87年に沖縄県の一部で観測されて以来、25年ぶりとなる。日本列島の広い地域で観察できるのは、平安時代以来、932年ぶり。次に「金環日食」が見られるのは、北海道で30年6月1日となる。