“頂き女子”控訴審判決 一審より軽い懲役8年6か月…過呼吸で号泣 SNS「ごくちゅう日記」で情報発信も
“頂き女子りりちゃん”を名乗る女の裁判で、名古屋高裁は一審より軽い、懲役8年6か月の判決を言い渡しました。判決の際、女は過呼吸になったり“号泣”したりする様子をみせていました。
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YouTubeより 渡辺真衣被告(26)
「世界の平和を守る人妻JK、魔法少女りりちゃん!」
自らを「頂き女子りりちゃん」と名乗る女。金を貢いでくれる男性を「おじ」と呼び…
YouTubeより 渡辺真衣被告(26)
「3万円でもいいので1000円でもいいので恵んでくださ~い」
男性3人から1億5000万円以上をだましとった詐欺の罪などに問われている渡辺真衣被告(26)。今年4月、名古屋地裁が懲役9年・罰金800万円の判決を言い渡しました。
それに対し、弁護側は控訴。30日、判決の日を迎えました。
名古屋高裁 裁判長
「主文、原判決を破棄する」
名古屋高裁は「被害者に謝罪の意思を示すなど反省しているほか、ホストが被害者に一部弁済している」などとして、一審より刑の期間が短い懲役8年6か月、罰金800万円の判決を言い渡しました。
判決のあと、渡辺被告が過呼吸になり、号泣する場面もありました。
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30日の判決には、朝から170人以上の行列が。
傍聴に来た人
「話題になっているところに興味があったから」
傍聴に来た人
「カリスマ性があるというか、どうやってだまされたのかと」
注目されている理由のひとつが、渡辺被告が協力者を通じてSNSで発信している日記です。
Xより
「ごくちゅう365日目。今日で逮捕されてから1年たちました。あっという間って言いたいけど、すごく長かった。1年がこんなに長いなら、ちょーえき9年、もっとだって、怖くなった」
30日の控訴審についても…
「9月30日の裁判がイヤ。それが終わったら、すぐに新しい生活で。新しいことは何でも怖い」
30万人近いフォロワーがいて、渡辺被告を応援する声もあがっています。
一方、被害者の男性は、世間から心ない言葉を浴びせられたといいます。
約3800万円の被害をうけた男性
「数え切れない言葉(ひぼう中傷)がありました。今思い出しても震えが止まらない。『50代が20代の女と付き合えるわけがないだろ』とか『だまされた俺が悪かったんだ』とすら感じました」
前回、8月7日に行われた被告人質問では、次のようなやりとりが。
検察
「3人の被害者に弁済は行いましたか」
渡辺被告
「弁償はしていません」
検察
「被害者から手紙が届いていると思いますが、返事はしましたか」
渡辺被告
「していません」
検察
「SNSにあげている日記の中で、被害者への気持ちを書いたことは」
渡辺被告
「ないです」
被害者への謝罪について、検察から何度も指摘された渡辺被告。その後、「ごくちゅう日記」で…
Xより(8月の投稿)
「被害者の方へ 申し訳ございませんでした」
わずか12文字の謝罪文を投稿。しかし9月、記者の接見に応じた際は、「謝罪の文章に意味はない」という言葉も。
渡辺被告(9月の接見)
「被害者の人たちにはごめんなさいって言って心がやすまるのならいいけど…謝罪の文章に何の意味もない」
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30日の判決で裁判長は、次のように言いました。
「あなたが与えた損害は金銭的なものだけでない。これから(罪と)どう付き合っていくか考えてください」
渡辺被告は静かにうなずき、法廷をあとにしました。
(9月30日放送『news zero』より)