懲役8年6か月・罰金800万円「頂き女子りりちゃん」控訴審 ”獄中日記”では…
「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性3人から約1億5600万円をだまし取ったなどの罪に問われている女の控訴審で、名古屋高裁は懲役8年6か月の判決を言い渡しました。
YouTubeより
「世界の平和を守る…人妻JK、魔法少女りりちゃん」
自らを「りりちゃん」と名乗り…
YouTubeより
「3万円でもいいので、1000円でもいいので、恵んでくださ~い」
男性3人から約1億5600万円をだまし取った罪などに問われている渡辺真衣被告(26)。今年4月、名古屋地裁が懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡しましたが、弁護側が控訴。9月30日に判決の日を迎えました。
裁判長
「主文、原判決を破棄する」
一審の判決が破棄され、言い渡された懲役8年6か月、罰金800万円の判決。渡辺被告は泣きながら裁判長の言葉を聞いていました。
朝から170人以上が列をなした30日の判決。
傍聴しに来た人
「話題になっているところに興味があったから」
傍聴しに来た人
「カリスマ性があるというか、どうやってだまされたのかと」
注目されている理由のひとつが、渡辺被告がSNSで発信している「ごくちゅう日記」です。
「ごくちゅう365日目。きょうで逮捕されてから1年がたちました。1年がこんなに長いなら、ちょーえき9年、もっとだって、怖くなった」
「9/30の裁判がイヤ。それが終わったら、すぐに新しい生活で。新しいことは何でも怖い」
今や30万人近いフォロワーがいて、渡辺被告を応援する声が相次いでいます。
一方で、苦しみの日々が続いているのが被害者の男性です。
約3800万円の被害
「数え切れない言葉(誹謗中傷)がありました。今思い出しても震えが止まらない。『だまされた俺が悪かったんだ』とすら感じました」
心無い声が届くといいます。
◇
前回行われた被告人質問では、被害者への“謝罪”について、検察から何度も指摘された渡辺被告。9月に私たちの接見に応じ、被害者に謝罪をしない理由を語りました。
渡辺被告
「被害者の人たちにはごめんなさいって言って、心がやすまるのならいいけど…。謝罪の文章に何の意味もない」
しかし、獄中日記では…
「被害者の方へ 申し訳ございませんでした」
わずか12文字の謝罪文。被害者に直接届けられることもありませんでした。
◇
30日に渡辺被告に言い渡された判決。名古屋高裁は「被害者に謝罪の意思を示すなど反省しているほか、ホストが被害者に一部弁済している」などとして、一審の懲役9年の判決を破棄し、懲役8年6か月、罰金800万円の判決を言い渡しました。
渡辺被告は過呼吸になり号泣する場面も。裁判は約1分間中断しました。その後、裁判長は…
裁判長
「あなたが与えた損害は、金銭的なものだけでない。これから(罪と)どう付き合っていくか考えてください」
渡辺被告は静かにうなずき、法廷をあとにしました。