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少子化対策 「卵子凍結」を支援へ 浦安市

2015年2月6日 20:40
少子化対策 「卵子凍結」を支援へ 浦安市

 将来の妊娠に備えて卵子を取り出し、凍結保存しておく「卵子凍結」という技術がある。妊娠を望んだ時に、体外受精をして子宮に戻すという。この「卵子凍結」の費用の一部を千葉県浦安市が事実上、負担する方向で検討していることがわかった。

 千葉県の浦安市内にある順天堂大学医学部付属浦安病院に浦安市が卵子凍結などの研究費として年間3000万円の補助金を出すことを検討していることがわかった。「卵子凍結」とは、女性の卵巣から卵子を取り出し、マイナス196℃の液体窒素で凍結、保存しておくこと。その後、子どもを授かりたいと思った時に卵子を解凍し、パートナーの精子と体外受精して女性の子宮に戻して出産を試みるという。

 なぜ、こうした技術が注目されているのか。

 年齢が上がるにつれて、健康な卵子は少なくなり妊娠しづらくなるため、若い時の卵子を保存しておけば高齢になっても出産できる可能性が高まるのではないかとされているのだ。

 「卵子凍結」は、保険がきかないため、その後の保管料も含めると100万円を超えることもあるという。そこで、順天堂大学医学部付属浦安病院の研究に対して、浦安市は少子化対策の一環として、3000万円を補助。これに対して病院側は、市内に住む女性に限って「卵子凍結」を3割の自己負担でできるようにする方針で、対象者は20歳から35歳くらいまでに限定したい、としている。

 一方、専門家は、凍結した卵子で「出産に至る確率は非常に低い」と指摘している。また、たとえ卵子が若くても、高齢での出産には高血圧症候群などのリスクもある。過去、出産で死亡した女性の割合は、40歳以上で一気に上がっているという。

 浦安市は、今月下旬から始まる市議会で少子化対策の一環として提案する方針で、早ければ来年度から制度をスタートさせたいとしている。