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【解説】「長周期地震動」…緊急地震速報の対象に 震源遠くでも“高層”は注意

2023年2月1日 18:37
【解説】「長周期地震動」…緊急地震速報の対象に 震源遠くでも“高層”は注意

地震の際に高層ビルなどを大きくゆっくりと揺らす「長周期地震動」について、気象庁は1日から警戒を呼びかけます。

2011年、東日本大震災が起きた時、東京・新宿では、高層ビルが横に大きく揺れていました。日本テレビの30階では、ロッカーが右へ左へと移動していましたが、この揺れこそが、「長周期地震動」と呼ばれるものです。

長周期地震動とは、大きな地震で生じる“ゆっくりとした大きな揺れ”のことで、震源から離れていても、高層ビルなどが大きく揺れるのが特徴です。

気象庁によりますと、この場合の「高層ビル」は14~15階以上の建物を想定していて、上の階にいけばいくほど揺れが大きくなり、長いと10分ほど揺れ続けることもあるといいます。

防災科学技術研究所 E-ディフェンスが行った、地震対策をしていない高層階の部屋を想定した実験映像では、長周期地震動が発生すると、キャスターがついたものが移動したり、家具が倒れたりしていて、危険な様子がうかがえました。

ただ、この揺れは震度では表現できず、地上が震度2や震度3でも、高層階では、大きな揺れとなる可能性があります。

そこで、気象庁は1日正午から、「長周期地震動」による大きな揺れが予測される場合、緊急地震速報の対象に加えることにしました。

<長周期地震動の揺れ>

【階級1】揺れを感じる、つり下げたものが大きく揺れる
【階級2】つかまらないと歩行困難、書棚の本が落下も
【階級3】立っているのが困難、未固定の家具が大きく動き転倒も
【階級4】はわないと動けない、未固定の家具の大半が移動し転倒も

今回、速報の対象となるのは、階級3と階級4が予測される地域です。実際、東日本大震災では東京都心で「階級4」の揺れが観測されています。

将来、発生する可能性が高い南海トラフ巨大地震でも広範囲で「階級3から4」の揺れが生じると想定され、大きな被害が懸念されています。

    ◇

では、どのような形で発表されるのか。

緊急地震速報が出されたと想定したテレビ画面のイメージでは、震源は、三陸沖でありながら、大阪や北海道など広い範囲が対象となっていました。

また画面右下には、「長周期地震動にも警戒」という文字も出ていて、通常の揺れに加えて、震源から遠く離れた地域でも長周期地震動の階級3以上の揺れが発生する可能性があるということになります。

震源から遠くても、高層階にいる人は家具から離れるなど、身を守る行動をとることが大切です。

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