改正臓器移植法施行5年“提供”は1割程度
子どもからの臓器提供が可能となった改正臓器移植法が施行されて17日で5年となった。脳死状態や心停止した子どもの臓器提供を親が検討したケースのうち、実際に提供したのはこの5年間で1割程度にとどまっていたことが分かった。
日本臓器移植ネットワークによると、改正法が施行された2010年7月から今年6月末までの間に脳死で臓器提供した人は244人だった。
改正法の施行で15歳未満でも脳死での臓器提供が可能になったが、この5年間に実際に脳死で臓器を提供した15歳未満の子どもは7人だった。
一方、この5年間で脳死状態や心停止で家族が臓器提供を検討した18歳未満の子どもは97人だったが、実際に提供したのは約1割にあたる14人だった。提供に至らなかった83人の理由については、17人が「施設の体制が整っていなかった」、16人が「家族が望まなかった」となっている。
18歳未満については、虐待で死亡した場合は臓器提供できないが、「虐待を受けた疑いが否定できない」との理由で提供に至らなかったケースも10件あったという。
日本臓器移植ネットワークは、今後さらに啓発活動を行うと共に、病院に体制の整備を促すなどして臓器移植の増加につなげたいとしている。