“全町民避難”で初 楢葉町の避難指示解除
東京電力・福島第一原発から20キロ圏内に入る福島・楢葉町は5日、避難指示が解除された。全ての町民が避難した自治体で、避難指示が解除されるのは初めて。
福島第一原発の事故の影響で、楢葉町は約7400人の全ての町民が避難し、町の大部分が日中の立ち入りはできるものの宿泊が制限される「避難指示解除準備区域」になっていた。国は住宅や農地の除染を進め、年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下になり、生活のためのインフラも整ってきたとして、5日午前0時に避難指示を解除した。
しかし、住民の多くはこの4年半もの間に避難先で仕事を見つけ、生活の拠点を築いているほか、町内にはいまだ多くの除染廃棄物が残されていて、放射線への不安も根強く、住民の帰還は順調に進まないとの見方もある。町では少しでも住民の帰還につながるよう、医療や商業施設などの整備を進めたいとしている。