１４日午前９時４３分頃、熊本県の阿蘇中岳が噴火した。気象庁は噴火警戒レベルを２から３に引き上げた。これまでのところ、けが人の情報は入っていない。

　噴火警戒レベルが３に上がったことで、気象台は火口から約２キロの範囲に立ち入らないよう警戒を呼びかけている。熊本でも交通などに影響が出ている。噴火当時は噴煙は黒っぽい色だったが、現在は灰白色になっている。

　気象庁によると、１４日午前９時４３分頃、阿蘇中岳が噴火した。噴煙は２０００メートルまで上がって北西方向に流れているという。これを受け、気象庁は１４日午前１０時１０分に、阿蘇山の噴火警戒レベルを２から３に引き上げた。気象庁は中岳第一火口から２キロの範囲に立ち入らないように警戒を呼びかけている。

　噴火を受け、政府は１４日午前９時５０分、首相官邸に「情報連絡室」を設置した。関係省庁と連携して現在、情報収集を進めている。

　阿蘇市は、火口から約１キロ離れた阿蘇山ロープウエーや、草千里の乗馬クラブなど火口近くの６つの施設に避難するよう伝えている。阿蘇山ロープウエーを営業する九州産交ツーリズムによると、噴火当時、従業員１０人が勤務していたが、全員の無事を確認したという。また、阿蘇市広域消防本部によると、火口から１キロ周辺で逃げ遅れた人がいないかの安否確認をしている。

　交通にも影響が出ている。噴煙が西の熊本市方面に流れていて、全日空は東京・羽田と大阪・伊丹からの到着便１便ずつの欠航を決めている。また、日本航空は羽田から１４日午前１１時４５分着の便と午後０時４５分羽田発の便が欠航している。また、阿蘇駅から阿蘇山上に向かうバスが運休しているという。

　気象台は火口からおおむね２キロの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石および火砕流に警戒するよう呼びかけている。