不正受給疑いの高校 過去に法令違反も指摘
株式会社が運営する三重県の私立高校が、国の「就学支援金」を不正に受け取っていた疑いが出ている問題で、文科省が4年前、この学校に法令違反の疑いがあると指摘していたことがわかった。
問題となっているのは、株式会社ウィッツが運営する三重県伊賀市の「ウィッツ青山学園高校」。国の法令では、株式会社による学校の設置は教育特区の区域内でしか認められていないが、文科省が2011年にこの学校の実地調査をしたところ、教育特区の区域外に「キャンパス」と名付けた施設を複数つくっていたことがわかった。さらに、教員免許のないスタッフに面接指導や添削をさせていたことも判明し、文科省は学校側に対して、いずれも法令違反の可能性があると指摘したという。
また、調査では、生徒に課されたレポートが学習指導要領の基準よりもレベルが低い内容になっていたり、レポートと同じような試験問題が出されたりするなど、教育の質の面からも重大な問題が見つかったという。
文科省は4年前の調査当時、地元・伊賀市に対して「ウィッツ青山学園高校」を指導するよう求めたが、市の担当者は「職員の態勢が不十分で、高校の指導・監督を行うのは難しい」と答えていたという。
今回の問題を受けて、文科省の義家副大臣は9日に会見し、「仮に不正が本当だとしたら言語道断だ」と話し、全国に90ある広域通信制高校という、問題の高校と同じ形態の通信制高校を緊急調査し、実態把握に努める考えを表明した。