命がいくつあっても…集落の上に10mの岩

熊本地震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村で、集落の上の斜面に幅10メートルほどの岩が木に引っかかっているのが確認された。崩落のおそれがあり、熊本県や南阿蘇村は、岩を砕いて撤去する方針。
大きな岩が見つかったのは、南阿蘇村立野の新所地区。熊本県と村の職員が、地元住民とともに斜面にある岩を確認した。岩があるのは先月の本震で土砂崩れが起きた斜面の西側で、およそ200メートル下には集落が広がっている。岩は幅10メートルほどあり、斜面の木に引っかかった状態で止まっている。
この岩は以前から確認されていて、4年前の九州北部豪雨では、岩がある場所のすぐ下で土砂崩れが発生した。熊本県は岩をワイヤで固定していたが、一連の地震でワイヤが切れ、岩が転げ落ちたものとみられる。
さらに、その上にはもう一つワイヤで固定された岩がある。
新所地区の住民「もう完全に住めないですね、とても。危ないというか、これは命がいくつあっても足りません」
熊本県と南阿蘇村は岩を砕く方針だが、これから梅雨の時期を迎えることから、まず大型の土のうを積んだり、再度ワイヤで岩を固定したりするなどの応急措置を検討している。