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「ランドセル争奪戦」年々早まる理由とは?

2016年7月8日 19:58
「ランドセル争奪戦」年々早まる理由とは?

 人気のランドセルメーカーが、来年用のランドセルをインターネットで予約受付を始めると、アクセスが殺到し、つながらない事態になり、ネット上で話題となった。年々早まっている「ランドセル争奪戦」。その背景には何があるのか。


■アクセス殺到でHPつながらず

 今月1日、「土屋鞄」では来年向けのランドセルの予約受付を開始した。しかし、ホームページには“おわび”の文字が…実は、初日に客のアクセスが集中し、ネットがつながらず、「買えない」などの声が殺到した。

 土屋鞄製造所・山田広報課長によれば、その日は去年の1か月のアクセス数が、1日でまとまってきたというぐらいの数字だったという。現在、ホームページは正常に戻ったということだが、今回のようなことは初めてだという。この事態に、ネットではこんな声が―

「画面真っ白。こっちの頭も真っ白」
「もう諦めるしかないの?」
「今年はランドセル、どうした?」

 実は他のメーカーでも、6月に販売を始めたところ、アクセス殺到で初日にサーバーがダウン。商品がほぼ完売したため、店舗も臨時休業になった。なぜランドセルの予約が相次いで殺到しているのだろうか。


■人気のポイントは色と機能性

 6日、ランドセル売り場を拡大したばかりの「伊勢丹新宿店」。珍しいデザインや、凝った刺繍(ししゅう)のものがずらりと並ぶ。ここでは、5~6万円のランドセルが主流という。オーダーメードする商品も人気で、売れるのが早いという。中にはイタリアの革職人が手作りしたランドセルもあり、価格は約16万円だ。いま、こうした“付加価値”のついたランドセルが続々と出てきている。

 過熱するランドセル市場の理由はどこにあるのか?専門店に行ってみると、定番の黒や赤以外にも水色やキャメル色など13種類のカラーがあるという。人気は、汚れにくい茶色の可愛らしいデザインのものやラベンダー色などだという。

 最新のランドセルを昔のものと比べると、機能も進化している。昔よりサイズが大きくなり、教材などにあわせ、最近ではA4のファイルが入る大きさのものが主流だという。さらに、防犯ブザーをつけるフック付きもある。


■すでに半数の園児たちが購入?

 来年の小学校入学までに期間があるにもかかわらず、なぜ、この時期にランドセルを買いにきたのか、あるお父さんに聞いてみると―

 「周りも半数くらいが買っているので、保育園の」

 同級生もすでに買い始めているという。神田屋鞄製作所の池袋ランドセル館・生方館長に、販売時期が早まっている理由を聞いてみると―

 「ものによっては生産個数が決まっていますので、色によって。時期が遅いと人気色が完売になる。選択肢があるオープン後の早い時期に来て購入しようという方が多い」「確実にペースは早まっていると思います」


■でも、お金を出すのは―

 色やデザインが増えたことで、自分好みのものを探そうと年々早まっているランドセル探し。付加価値とともに値段も上昇しているが、その“おサイフ”は、祖父母のようだ。

――どなた向けに買ったんですか?

 「孫です。まあ、孫がかわいいのでしょうがないですよね」

調査によると、祖父母が孫へのプレゼントとしてランドセルを買う割合は、実に全体の68%に達するという(あんふぁん調べ)。


■購入のピークに“ある共通点”

 ランドセルを購入するのが早まっているのは、ここ数年の流れのようだ。購入時期のピークを調べてみると―

2010~2011年は「1月」

2012~2013年は「12月」

2014~2015年は「8月」

2016年は「ゴールデンウイーク」?

 ランドセルは祖父母に買ってもらう人が多いということで、一緒に買い物に行く時期が購入のピークとなっているようだ。つまり、「年末年始」から「お盆」に早まり、そして、今年は「ゴールデンウイーク」ごろから盛り上がりをみせているということだ。