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小林製薬“未知の成分”は「構造までだいぶ見えてきた」 「紅麹」問題、死者5人に

2024年3月29日 19:55
小林製薬“未知の成分”は「構造までだいぶ見えてきた」 「紅麹」問題、死者5人に

小林製薬の「紅麹」をめぐる健康被害の問題で、新たに1人が亡くなり死者数が5人となりました。29日、小林製薬は会見を行い、“未知の成分”について「だいぶ見えてきた」と明かしました。

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さまざまな医薬品などを提供する小林製薬。会見の冒頭、小林章浩社長が謝罪しました。

小林製薬 小林章浩社長(29日午後2時すぎ)
「当社が製造いたします紅麹を摂取することによる腎疾患等の発生問題によりまして、非常に多くの皆様に、ご心痛ご不安をおかけしており、今回の件が社会問題にまで発展しておりますことを深くおわび申し上げます」

最初の死者が発表された今月26日以来、初めて公の場で口を開きました。

小林製薬 小林章浩社長
「まずはお亡くなりになりましたお客様のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。弊社を取り巻く全ての皆様に、多大なる不安や恐れを与えて大変な思いをさせてしまったこと、深刻な社会問題にまで招いてしまったことにあらためて深くおわびを申し上げます」

一連の小林製薬「紅麹」問題では、これまでに114人が入院、5人が死亡しました。その中には、70代から90代の男女が含まれているということです。5人のうち3人は腎疾患を伴っていたと、小林製薬は発表しています。

小林製薬は、治療費などを負担し、遺族に対しては「誠心誠意対応する」としています。

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そもそも、今回のことの発端とみられるのは、想定されず発生した“未知の成分”。これについて…。

小林製薬・ヘルスケア事業部 梶田恵介食品カテゴリー長
「この1週間で構造までは、だいぶ見えてきています」

――既知の化合物? 構造未知の化合物?

小林製薬・ヘルスケア事業部 梶田恵介食品カテゴリー長
「既知の化合物と我々は認識」

小林製薬のこれまでの研究によると、“未知の成分”は“すでにこの世に存在する化合物”だといいます。ただ…

――それでも言えない?

小林製薬・ヘルスケア事業部 梶田恵介食品カテゴリー長
「医者の治療方針に直接関係するだろうと思っていたので、あいまいな情報を出して皆様を混乱させることを避けている」

今後、「国の研究機関と協力して特定し、迅速に公表したい」ということです。

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サプリメントだけでなく、食品にも使われていた小林製薬の「紅麹」。

小林製薬によると、小林製薬が紅麹原料を直接卸している企業は52社。そこから173社の手に渡り(重複あり)、さらに飲食店や個人にまで広がった可能性があります。

小林製薬 小林章浩社長
「直接取引している52社はお話しさせていただいている。その先の170数社は全てとお話ができているか理解ができておりません。恐らくできていない企業もある」

――補償の範囲や金額は?

小林製薬 小林章浩社長
「現在回収をすべく努力していて、全容を把握できていない。影響や金額についてもまだ把握できていない」

問題は、日本国内だけにとどまりません。台湾でも41社が小林製薬の「紅麹」を扱っていたと確認されています。台湾で製造されたサプリにも使われていました。

台湾メディアによると、そのサプリを3~4年前から摂取していた70代女性が去年3月、急性腎不全と診断されています。

広がる小林製薬「紅麹」問題。

小林製薬 小林章浩社長
「原因究明して再発防止。これが私も含めた全員の責任。リーダーとしてしっかりと進めていきたい」