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企業の女性役員増加へ リーダー育成の取り組み 他企業の執行役員が支援【国際女性デー】

2025年3月8日 18:23
企業の女性役員増加へ リーダー育成の取り組み 他企業の執行役員が支援【国際女性デー】

「国際女性デー」にちなみ日本テレビでは女性の権利や生き方などについて様々な企画をお伝えしています。

日本では、経営を担う女性役員の割合が1割程度と、世界最低レベルで、いまこれを増やすための取り組みが始まっています。

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先月、東京都内の会議室に集まったのは、さまざまな企業の部長職の女性たち。これは女性のリーダーを育てる企業横断型の取り組みです。

参加者の1人、総合人材サービス会社の人事企画部長・山崎涼子さん。実は山崎さん、昇進が決まり来月には会社経営の一端を担うことになっています。そんな中、悩みを抱えています。

パーソルHD株式会社・山崎涼子さん
「今までは目の前のことを必死にやってくることで大丈夫だったんですけど、先々どうなっていきたいのかっていうのを自分で決めてったほうがいいのかなって」「あんまり社内に沢山ロールモデル(手本になる人)がいるわけでもないし。上司も自分たちの生き方をしてきた男性だったりするから」

女性の上司も少ないなか、悩んでいるリーダー像。日本の上場企業の役員の女性比率はおよそ1割で、政府はことしまでに19%とする目標を掲げています。

商品やサービスの多様な需要に対応するためにも、企業の幹部にも多様性が求められ、投資家も女性役員の比率を重視しています。

こうした中、今、政府が後押ししているのが、「クロスカンパニーメンタリング」。企業から希望する部長職の女性を集め、他の企業の執行役員とペアにし、面談を半年続ける取り組みで、社外に目標となるような人物を見つけられるほか、同じ部長職の女性同士のつながりもできます。

面談前に事前アンケートに基づいた、各自の性格分析が配られました。

山崎さん
「一番、納得感があったのは、対人的感受性と慎重性」

強みと弱みを明らかにし、自己評価が低い傾向にあるリーダー職の女性が、「自分らしさ」を前向きにとらえる助けになるといいます。

面談初日となる今月3日、山崎さんのペアとなったのは、IT企業の執行役員・河辺恵理さんです。業種は全く異なりますが、山崎さんはいま抱えている不安を素直にぶつけました。

山崎さん
「優しいままの自分だとだめなときがあるというか」

SCSK株式会社・河辺恵理さん
「優しいとか優しくないとかいうよりも、自分に期待されている役割の発言をもれなくできているかっていうところなのかもしれないけどね、ビジネス的には」

山崎さん
「やらなきゃいけないことが不足しているかもって不安感がどっと押し寄せるときもあって」

河辺さん
「それは責任感が強いからそういうふうになるのよ。偉いわ。大丈夫、大丈夫」

山崎さんは社外の相手だからこそ、普段言えない自分の弱さも吐き出せて、肩の荷が少しおりたといいます。

社内や世の中のさまざまな声をひろうため、多様なリーダーが求められる時代。女性リーダーを育てる方法は、企業の垣根をこえ始めています。

最終更新日:2025年3月10日 0:33