熱中症どう防ぐ?私たちにできること
9日は関東などを中心に猛烈な暑さとなり、各地で今年の最高気温を記録した。この暑さで心配なのが熱中症で、先週には全国で5600人以上が救急搬送されている。
気温や湿度などを基に環境省が公表している、熱中症の起こりやすさを示した「暑さ指数」を見ると、9日午後1時時点で、関東のほとんどの地点で「危険」「厳重警戒」となっている。環境省は、暑さ指数が「危険」になっている場合、外出はなるべく避けるよう呼びかけている。
■部活動中での死亡事故も
今年の夏は、部活動中などに熱中症になるケースも相次いでいて、死亡事故も起きている。
6日には、北海道札幌市にある北海学園大学の男子学生がアメリカンフットボールの練習中に倒れ、意識不明の状態で病院に搬送されたが、まもなく熱中症の疑いで死亡した。気象庁によると、6日の札幌市の最高気温は29.2℃だった。
■どんな症状が出たら熱中症?
熱中症のサインとしては「めまいや顔のほてり」「筋肉のけいれん、筋肉痛」「体のだるさや吐き気」といった症状があるので、まずは、これを見逃さないことが大切だ。
こうした症状が出た場合、涼しい場所で体を冷やしたり、水分と共に塩分を補給したりするなどの対応が必要となってくる。
ただ、これらの症状が出たとしても、病院に行ったり、救急車を呼んだりするほどなのか、自分では判断が難しい場合もある。
例えば東京都では「#7119」に電話すると、東京消防庁の救急相談センターにつながり、相談に乗ってもらえるので、こうした機関を利用してみるのもいいだろう。
■周囲はどう対応すべき?
近くに熱中症の症状を訴える人がいた場合、まずは意識がしっかりしているかどうかを確認する。そこで言動がおかしかったり、意識がなかったりした場合は、すぐに救急車を呼ぶ。
その上で涼しい場所に運び、ベルトなど衣服をゆるめて寝かせ、救急車が来るまでの間は体を冷やす。その際、首筋や脇の下、足の付け根などを氷や冷たいペットボトルなどで冷やすとよい。太い血管があるので、より体を早く冷やすことができる。意識がある場合でも、同様の対応をする。
■屋内でも注意を
熱中症は外だけでなく、屋内でも注意が必要だ。東京都監察医務院によると、去年、東京23区で熱中症で死亡した25人のうち、19人が室内で死亡している。
室内でも、水分や塩分をこまめに補給することや、暑さを我慢せず、冷房を使うことが大事だ。
■夜も油断禁物
熱中症対策は昼間のことだけではない。油断せず、寝る前に水分をとるなどして、夜の熱中症対策も万全にすることが大事だ。