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シラス不漁!原因の“黒潮の大蛇行”とは?

2017年9月5日 18:58
シラス不漁!原因の“黒潮の大蛇行”とは?

 丼や和食の小鉢などでおなじみの海産物、シラスがピンチとなっている。産地では例年にない不漁となっていて、地元の漁師などから聞かれたのは“海のある異変”だった。


■東京・築地にある料理店では、仕入れ状況に応じて旬の魚介類20種類を使ったメニューを出している。しかし、最近、生シラスの仕入れに苦労しているという。去年は2日に1回は入荷ができたという静岡産の生シラスが、この1週間は一度も入荷できていないという。

■静岡のシラス漁は3月~1月まで行われる。多くとれるときは約1000カゴとれるということだが、いまはシラスがとれないため、先月は7日間しか漁に出られなかったということだ。

■生シラスは産地でも提供できない状況。漁協直営の店では、冷凍の釜揚げシラスは出すことができるが、心苦しい部分があるという。

■鮮魚店で話を聞くと、実はシラスだけでなく近海の魚もとれないという。仕入れ値は例年より2~3割上がっているとのことだ。

■地元の料理店でも、使いたい鮮度の良いものが少ないという。太刀魚などは例年に比べ身が薄いため、いまはロール状に巻いてふっくら焼き上げるなど料理の工夫をしているという。

■シラスや近海の魚がとれていない理由は「黒潮の大蛇行」。黒潮は通常、日本の南岸に沿って流れる強い流れの海流だが、今年は気象庁によると、黒潮が南に大きく蛇行しているという。今後さらに蛇行が南下すると、2005年以来の「黒潮の大蛇行」となる可能性があると発表した。

■専門家によると、「黒潮が大蛇行すると、蛇行している内側に反時計回りの冷たい水の渦ができる」とのことだ。この渦に、遊泳力の少ないシラスなどは流されてしまい、不漁になっている可能性があるという。前回、「黒潮の大蛇行」が起きた際、静岡県のシラスの漁獲量は例年の3分の1まで落ち込んだ。

■近海でとれていたほかの魚も、エサとなるイワシの群れが黒潮に沿って移動しているため、静岡の近海でとれなくなっている可能性があるという。

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