【特集】“山形”から震災被災地に“留学”した高校生 『震災』の伝承活動に挑戦 全国から生徒を受け入れる宮城『南三陸高校』
7月17日。
説明する南三陸高校・伊藤芽衣さん
「3階の高さだけど、全部上まで水を被ってます。屋上にいた人たちも水を被っている高さです」
震災遺構として〝町有化〟された『旧防災対策庁舎』を前に、高校生が震災の記憶を伝えていた。
南三陸高校の伊藤芽衣さん。
芽衣さんは山形県出身だが、宮城・南三陸町で高校生活を送っている。
去年、『南三陸高校』が始めた全国募集、その名も「kizuna留学生」。
少子化を背景に、町の活性化を目的としてスタートした制度。
入学式当時の伊藤芽衣さん
「地域の方々の元気の良さと、人柄の温かさに惹かれて、南三陸高校を志望しました」
その1期生として入学した芽衣さん。
「震災にも負けず、前に進もうとする南三陸町の姿」に惹かれて、山形からの〝留学〟を決意した。
町の魅力を動画で発信したり、地元の夏祭りに参加して、積極的に地域に馴染んでいった芽衣さん。
今年、10人の2期生を迎え、いまでは宮城県外から入学した生徒を引っ張る中心的な存在だ。
南三陸で迎える2回目の夏。
台湾から来る高校生を相手に、芽衣さんは震災を伝承するガイド役を担うこととなった。
「聞いた話を言うだけでは伝わらない」と言う地元の語り部の男性。
何をどうやって伝えればいいのだろうかー。
まずは語り部として活動する男性から話を聞き、地元の住人が伝えたい思いを汲み取る。
そして、案内ルートや内容を決めるのは自分たち。
同級生と話し合いを重ねる。
話し合う芽衣さん)(語り部に)共通していたのは、南三陸町にこういうことが起こったんだな、かわいそうだなで終わって欲しいんじゃなくて、これから南三陸町がこうなっていくんじゃないかという期待をもってほしいと言ってたよね」
話し合う男子生徒)だったら、災害に強い町になって欲しいということを伝えたいのかな」
およそ3か月の準備を経て、芽衣さんたちは防災意識を高めるきっかけになることを目標に据えた。