なぜ?電車の窓が破損…割れたらどうする?
21日午前9時頃、川崎駅から品川駅に向かって走っていたJR東海道線の車両で、突然窓が割れる事故があった。また21日午後1時半頃、神奈川県の菊名駅から妙蓮寺駅の間を走っていた東急電鉄東横線の電車内で窓ガラスにヒビが入っているのを乗客が発見した。一体なぜこのようなトラブルが起きたのだろうか。
もし自分が乗っていたら驚くが、今回はたまたま東海道線に日本テレビの記者が乗り合わせていて窓が割れたところを撮影した。事故を整理すると、窓ガラスが割れたのは15両編成の中ほどの7号車の車両。割れた部分は座席の背後の部分で、ドアの部分のガラスのように車内から圧力が掛かる場所ではない。JRは原因を調査中としているが、専門家に聞いたところ、2つの可能性があると指摘している。
1つは石を投げられた可能性。もう1つは、線路の下に敷いてある石が跳ね上げられて割れた可能性。今回はガラスの割れ方からみて、石を投げられた可能性が高いと指摘している。
過去にも窓ガラスが割れる事故は起きている。去年の9月にはJR京浜東北線の窓ガラスが割れる被害があった。この時は運転士が「何者かに石を投げられた」と証言している。また、同じ去年9月には東急田園都市線でも事故があった。東急電鉄によると当時、朝の通勤ラッシュで車内は満員状態で、乗客の1人がドア付近にいた男子高校生にぶつかった。この高校生が窓ガラスに衝突し窓を突き破ったという。高校生は割れたガラスの破片で額や鼻の横を切るケガをした。
■電車のガラスは簡単に割れてしまうものなのか?
去年の事故当時、田園都市線に使われていた窓ガラスは、厚さが約3ミリで通常よりも3倍から4倍の強度がある強化ガラスを使っていたという。
また、21日に事故が起きたJR東海道線の窓ガラスは厚さ約5ミリで、これも強化ガラスだったがそれでも割れてしまうという。また、割れてしまっても破片がとがらないようなガラスを使うことが法令で義務づけられている。そうした対策が取られているがそれでも、今回の事故では女性1人が軽いケガをしたという。
■割れたらどうすればいいのか?
今回は、電車が品川駅に着いた時に乗客がホーム上の非常ボタンを押して、駅員が事故に気づいたという。つまり電車が走っている間、乗務員は気がついていなかったということ。JR東日本は何か異常があった場合は早めに乗務員に知らせて欲しいと話している。
■どうやって知らせたらいいのだろうか?
電車には各車両ごとに非常通報装置が設置されている。窓ガラスが割れたり火災が発生したり急病の人が出たりといった緊急時には、このボタンを押せば乗務員に知らせることができる。ただ、この装置は車両に1つしか付いていない場合もある。また、今回の事故は通勤時間帯で混雑していたため「非常ボタンは?」という声もあったが身動きが取りづらかったという。こうした場合には車内で声を掛け合って誰かに押してもらう必要がある。
★★★
今回のような電車だけでなくバス、飛行機など身近な交通機関の利用中、非常時に直面することはないとはいえない。いざというとき落ち着いて行動するためにも普段から非常時の対処法を意識して知っておくことが大切だ。