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歴代のパンダ 名前はどう付けられた?

2017年9月25日 20:17
歴代のパンダ 名前はどう付けられた?

 過去最多となる32万件を超える応募の中から選ばれた赤ちゃんパンダの名前は25日、「シャンシャン(香香)」に決まった。上野の歴代パンダの名前はどのように付けられたのだろうか――

 パンダの名前はシャンシャンに決まった。「香る」の漢字を2つ並べてシャンシャン。「香」という漢字が2つ並んでいるが、花が開く明るいイメージだという。名前の公募には、32万2000件もの応募があったのだが、その中で最も多かった名前がシャンシャンで5000件以上だったという。順位は8位だったそうだが、上位にある名前は著作権や商標登録などの関係ではじかれ、シャンシャンになったという。名付け親がたくさんいることになる。

 漢字を繰り返す名前になったが、実は先月、小池都知事は「だいぶ頭数も増えたので繰り返しの名前ではまかなえない」「繰り返しに必ずしようというわけではございません」と話していたが、結局は繰り返す名前になった。

 これまでの上野動物園のパンダの名前を見てみると、「トントン(童童)」や「ユウユウ(悠悠)」、「リーリー(力力)」や「シンシン(真真)」といった同じ漢字が繰り返されてきた。

■歴代のパンダの名前はどのような意味があるのか?

 パンダが初めて来日したのは、1972年。当時、日中国交正常化を記念して「カンカン(オス)」と「ランラン(メス)が上野動物園にやってきた。2頭の名前は元気で健やかなイメージの「カンカン(康康)」、女の子らしいイメージの「ランラン(蘭蘭)」という名前だった。

 このカンカンとランランから上野動物園では伝統的に同じ漢字を繰り返す名前が付けられ、例えば上野動物園で生まれたトントンは子どもらしいかわいいイメージ。またシャンシャンのお父さんのリーリーは力を並べて、活発で力持ちのイメージ。そしてお母さんのシンシンは、天真らんまんで優しいイメージがあるということだ。

 このようにパンダの名前にはそれぞれいろんな意味が込められてきた。名前が決まって、地元の人の期待も大きい。カンカンとランランが上野動物園に来た当時は、ジャイアントパンダを初めて目にするという人も多く、開園を待つ人の列は2キロにも達したという。

 また、リーリーとシンシンが来日した2011年度は前年度の倍近い、400万人もの人が来園。上野動物園の来園者が400万人を超えたのは、19年ぶりだったそうだ。

 シャンシャンは上野生まれということで、今回は当時のフィーバーをしのぐかも知れない。関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、今年6月の誕生から1年間だけでもシャンシャン誕生に伴う経済効果は約267億円にのぼるとしている。この数字は2013年、プロ野球の楽天が初めて優勝したときの経済効果、約230億円を上回るという。

 経済効果の具体的な内訳をいうと、一般公開が始まれば入園者が増え、入園料の増加が見込まれる。それ以外にも飲食費や土産物に使う費用など直接的な経済効果は約147億円に。さらに飲食店に食材を卸す会社などへの波及効果(約75億円)まで合わせると約222億円になると推定される。

 また宮本名誉教授によると、地方から東京にパンダを見に来る観光客は上野動物園だけでなく都内の観光施設も訪れる事からパンダによる経済効果は周辺にも及ぶだろうと分析している。

★★★

 赤ちゃんパンダには誰もが癒やされるような愛らしさがあり、シャンシャンは日本中を癒やしてくれる存在になった。名前が決まって一大ブームにまでなるのか、経済効果への期待にも拍車がかかると思うが、元気に育っていって欲しい。