サンシャイン水族館で魚が大量死…何が?
東京・池袋のサンシャイン水族館で水槽の魚約1200匹が死んでいるのが見つかった。9日に水族館を訪れた客からは、魚の少なさに落胆の声も。一体、何があったのか。
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■メーン水槽の魚9割以上が死ぬ
東京・池袋にあるサンシャイン水族館。550種類もの生き物が展示されていて、平日でも1日約4000人が訪れる人気の水族館。平日の9日も多くの家族連れなどでにぎわっていた。しかし、水族館の入り口には“展示生物減少”と書かれた張り紙があった。
横幅12メートル、奥行き10メートル程もある水族館で一番大きなメーンの水槽「サンシャインラグーン」。巨大な水槽で行われる水中パフォーマンスなどは水族館の目玉イベントで、それを目当てに訪れるお客さんも多いという。
本来は、巨大な水槽の中をエイやウツボなど50種類もの魚が、約1300匹泳ぎ回っているはずだが、9日、水槽の中を見てみると、泳いでいたのはわずか70匹程。なんと水槽の9割以上の魚が死んでしまったという。
この事態に来館者は「年間パスポートを持ってたので、毎回来てたんですけど、今日すごい魚がいなくてびっくりして」「せっかく(魚)見に来たのに残念ですね」と話す。
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■装置停止による酸欠が原因か
サンシャイン水族館によると、この水槽では7日から体にはんてんが現れる病気の魚が複数確認されていた。そこで、治療のために水槽に薬品を投入。さらに薬品の効果を高めるため、ある装置を停止させたという。
泡を発生させフンなどの汚れを絡め取るこの装置は、水を循環させることで水槽に酸素も送り込んでいた。しかし、この装置を止めたことで酸素が減少。その結果、多くの魚が酸欠で死んでしまったとみられている。
実際、死んだのは主に活発に動き、多くの酸素を必要とする魚。逆に、ゆったりと動き、あまり酸素を必要としないトラフザメなどの魚は生き残ったという。
サンシャイン水族館飼育係・山本昭さん「(死んだ)魚の対処は一部標本として保存して、それ以外のものにつきましては廃棄処分させていただきました。できるだけ元の水槽(の状態)に戻せるように、スタッフ一同、今努力している」
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水族館での魚の大量死は過去にも―。今年9月、日本最大級の水族館がある横浜・八景島シーパラダイスでイソギンチャクなど約90匹が死んでしまう現象が発生。原因は設備の不具合や飼育経験の不足だった。
サンシャイン水族館では当面、水槽でのパフォーマンスやえさやり体験は見送ると発表。再発防止に努めるとしている。