今年も快進撃なるか?藤井四段、名人に勝利
中学生プロ棋士の藤井聡太四段が、14日に行われた「朝日杯将棋オープン戦」で佐藤天彦名人と対局し見事、勝ち星を挙げた。
公式戦では初めてとなる、タイトル保持者との対局を勝利で飾った藤井四段。次の対戦相手は、あの羽生善治二冠。今年はどこまで快進撃を見せてくれるのだろうか。
◇
藤井四段が、またすごいことを成し遂げた。
《藤井四段の何がすごいのか?》
“公式戦でタイトル保持者に勝利した”こと。藤井四段は去年4月、羽生さんに勝利しているが、これは非公式戦だった。今回は公式戦だから重みが違う。
《対局相手の佐藤名人とは?》
佐藤天彦名人は福岡県出身の29歳。2016年に史上4番目の若さで、当時名人だった羽生善治三冠から名人のタイトルを奪った。
趣味はクラシック音楽とファッションだそうで、こうしたキャラクターから“貴族”という愛称がついている。
こんな佐藤名人に勝利した藤井四段だが、今回小学4年生の頃の文集を見つけた。
《藤井四段の文集には?》
好きなことは将棋・読書。最近関心があることは電王戦の結果。これはコンピューターソフトと人間の対局だ。さらに、尖閣諸島の問題。2012年には尖閣諸島の国有化があった。
好きな食べ物の1位は刺し身。2位はミソ煮込みうどん。3位はラーメンとなっている。
そして注目すべきは将来の夢『名人をこす』。大きな字で書かれている。佐藤名人に勝ち、小学4年生で掲げた夢を、14日に早くもかなえてしまった。
14日の勝利後の会見では、この『名人をこす』と書いていることについても質問があった。
藤井四段「(文集は)当時まだ小学生でしたので、今、振り返るとすごいこと書いたなと思います」「まだまだ実力的には(佐藤名人に)及ばないかなと思っている」
本当に謙虚だった。名人は将棋界で最も伝統あるタイトルだから、本人もとても大きなことだったと話していた。
14日の対局は藤井四段の地元・愛知で、公開で行われたが、一目見ようと会場には大勢の人が駆けつけていた。対局前に食べたお昼ご飯は「とろろそば」と「シャモの天丼」だった。どちらもしっかり一人前出てきて、ちょっと量が多かったようだ。
次の舞台は準決勝。対局相手はつい先日、国民栄誉賞の受賞が決まったあの羽生善治竜王で、いよいよ目が離せなくなってきた。
藤井四段は「羽生竜王はあこがれの存在で対戦できるのはうれしい」「羽生先生に教えていただける機会だと思うので、さらに成長できるように頑張りたい」と話していて、上位の人の胸を借りて、さらにそこから学ぶ姿勢を見せていて、そこが素晴らしいと感じられる。
◇
準決勝は来月17日。果たしてどんな対局になるのか、今から楽しみだ。