新システム導入 緊急地震速報どう変わる?
気象庁は、巨大地震が起きた場合に、激しい揺れを精度良く予測し、緊急地震速報をより広範囲に出せるようする新たなシステムを導入した。
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【緊急地震速報、どう変わる?】
これは、巨大地震がきたときにこれまでよりも広い範囲に速報が出るよう改善されたということ。
緊急地震速報とは、震度5弱以上の強い揺れを予測した場合、テレビや携帯電話の速報メールなどを通じて警戒を呼びかけるもの。今回、新しいシステムを導入したのは7年前の東日本大震災の反省を受けてのこと。
震災当時、関東でも震度5弱以上の大きな揺れがあったが、緊急地震速報は出ていなかった。これが新たなシステムでシミュレーションすると、関東を含むかなり広いエリアで速報を出すことができるようになった。
地震が発生すると「P波」と「S波」が出るが、これまでは発生直後に出る「P波」という小さな揺れを検知して緊急地震速報を出していた。ただ、これだけでは広い範囲で揺れる巨大地震に対応できなかった。
そこで新しいシステムでは、これに加えて「P波」に遅れてやってくる「S波」などの大きな揺れを待ち、その実際の観測値を使って震度を予想する。これにより広い範囲に速報を伝えることができる。
単純に東日本大震災に当てはめてみると、まず東北に最初に速報が届いていたところに続いて、関東にも速報が届くということになる。
一方で、緊急地震速報は震源が近いときや直下型地震には間に合わないこともあるので、普段から地震への備えをしておくことが肝心。