家計を圧迫する値上げラッシュ… 「半額専門店」が急拡大 “破格値”の理由は
生活に身近な商品の値上げラッシュが止まりません。少しでも家計の支出を抑えようと、お得な詰め放題やメーカー希望小売価格の“半額”の食品や日用品が常に並ぶ「半額専門店」などの人気が高まっています。“破格値”の理由とは…。
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値上げラッシュが、家計を圧迫しています。6月以降、また値上げされるのが、小麦粉です。
その小麦粉の値上げも何のその、千葉・柏市では、行列覚悟のお得なイベントが実施されています。千葉県の製パン会社が毎週水曜日と土曜日に行う「パンの詰め放題」(種類により制限あり)です。
お客さん
「(詰められたのは)23個! これ(食パン)入れて。お得ですよ~! 全然お得ですよ~!」
参加費324円で、1000円以上のパンを獲得した人もいました。制限時間は1分のため、1つでも多くのパンをゲットしようと、順番を待つ間に「袋」をひっぱって広げる人が続出しました。
並んでいるお客さんに話を聞きました。
東京から来た女性
「東京から。(夫に)有休をとってもらって」
――狙いは?
東京から来た女性
「食パン、食パン!」
数量限定の162円の「食パン」などを目指し、この女性がいざ、詰め放題の勝負へ! …ところがすぐ隣に、袋からあふれんばかりのパンを詰め込む強力なライバルが出現。気後れしてしまったのか、序盤に出遅れてしまいました。
「うわー、すごいかもー」
お目当ての食パンは無事、手にいれましたが…。
東京から来た女性
「元はとれました。でも彼の方が…」
やはり、ほかの人の“戦利品”が気になる様子でした。
小麦粉の価格が上がり続ける中、詰め放題を実施している製パン会社の“本音”を聞きました。
小菅製パン販売事業部 公田弘子マネージャー
「原材料のほとんどが高騰していて、正直なかなか厳しくはあります」
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帝国データバンクの調査(5月19日時点)によると、主要食品メーカー105社は今年だけで、既に4770品目。調査では、6月以降も3615品目を値上げするといいます。
街では、「できるだけ節約もしたいし、安いところで買いたいなと思います」との声も聞かれました。
“1円でも安く買い物をしたい”今、全国で急拡大中の激安店があります。その東京・千代田区にある店舗を訪ねました。
買い物客
「50円とかですか」
「半額で安いって聞いたので」
50円のスナック菓子や70円のペットボトル飲料など、メーカー希望小売価格の“半額”の食品や日用品が常に並ぶ「半額専門店」です。年中無休で24時間営業です。問屋を通さずメーカーから直接仕入れているため、中には半額以下の掘り出しものもあります。
買い物客
「メーカーがわかっているもので、安いとやっぱりいいですよね」
「“破格値”ですよね。また、来ます」
この「半額専門店」TOAmartによると、PCR検査場だったスペースなどを利用し、わずか半年あまりで全国に145店舗を展開。“値上げラッシュの夏”には、500店舗にまで拡大する予定だということです。