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“値上げラッシュ”で自治体が独自支援 水道の基本料金「半年無料」に

2022年5月16日 21:27
 “値上げラッシュ”で自治体が独自支援 水道の基本料金「半年無料」に

原材料費の高騰・円安などを受けて、食品・日用品などの値上げが相次ぐ中、「あえて値下げする」動きも出ています。こうした中、ある自治体の支援策が話題になっています。愛知・大府市は7月から半年間、全家庭・全事業者を対象に水道の基本料金を無料にする独自の政策を打ち出しました。

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ファミリーレストランチェーン・すかいらーくグループの「しゃぶ葉 三鷹牟礼店」は、国産牛などが「しゃぶしゃぶ」し放題で、15日、大勢の家族連れでにぎわっていました。それも、そのはず――

お客さん
「『小学生半額』というのを見たので、それで来た感じです」

お客さん
「外食だと、どうしてもお金がかかるのが気になるので、値下げはすごくありがたいです」

例えば、国産牛やイベリコ豚などが食べ放題となる平日のランチコースの場合、小学生は本来1869円ですが、今月18日までは989円とほぼ半額になります。

外食産業で値上げが相次いで発表される中、この店ではあえて値下げを行っているのです。すかいらーくホールディングス商品本部・竹島祐希さんに、値下げの背景を聞きました。

すかいらーくホールディングス 商品本部 竹島祐希さん
「今、様々なモノの値段が上がっていますが、そのような時でも、外食を楽しんでいただきたく、よりお得に、今回のサービスを開始いたしました」

来月以降も、食料品や酒類、自転車、電気・ガス料金など、とどまることのない「値上げラッシュ」が続きます。お得な価格を打ち出すことで、他の外食チェーンとの差別化を図っているのです。

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今年、スポーツ用品店のアルペンは、東京・新宿に大型店舗「Alpen TOKYO」をオープンさせました。その中にある「スポーツデポ フラッグシップストア 新宿店」では、春夏向けの180アイテム、90万点を最大50%値下げしています。

お客さん
「絶対、買って帰ろうかなって思いました」
「値段下がっている分、もう1着買っちゃおうかな、とか」

店内には『今こそ、今だからこその値下げしました』の文字が掲げられていました。その値下げに踏み切った理由について聞きました。

スポーツデポ フラッグシップストア 新宿店の鈴木貴寛さん
「ここ最近、ランニング大会がようやく始まってきて、外でのびのびスポーツできる機会も増えてきたかな、と」

コロナ禍で中止となっていたスポーツイベントが次々と再開する中、今がまさにスポーツを始める人が増えるタイミングだと見込み、値下げを始めたということです。

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値下げの動きが広がる中、太っ腹すぎる自治体の支援策も話題になっています。

愛知・大府市の寿司店で話を聞きました。

寿司割烹なだか・柿原誠太郎料理長
「水は必要なものなので、平等に助けていただけるのは、やっぱりありがたいですね」

なんと、大府市は7月からの半年間、市内の全家庭や全事業者を対象に、水道の基本料金を無料にする独自の政策を打ち出したのです。一般家庭の場合は半年間で約4000円、事業者の場合は半年間で1万円から2万円を超える金額が免除されます。

なぜ、無料が可能なのでしょうか。大府市の岡村秀人市長に話を聞きました。

愛知・大府市 岡村秀人市長
「コロナ禍において、原油高・物価高等、市民生活が大変苦しんでいる。国の方から交付金という手当が(給付される)予定なので、スピード感をもって、減免の措置をとれる」

国から支給される予定の新型コロナ関連の交付金を財源に、電気・ガスとは違い、市の裁量で決定できる水道料金に目をつけたのです。

市内の飲食店からは、基本料金のみが無料なので、水道のムダ遣いを招くこともなく、全市民・事業者に平等な支援だと評価されています。

寿司割烹なだか・柿原誠太郎料理長
「水道料金(全額)だと、(水を)出しっ放しにする人も出てくるので、市が平等にできる支援では、水道料金の基本料金はいいのかなと思います」