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各地で停電相次ぐ 原因はカラス…何が?

2018年5月2日 18:42
各地で停電相次ぐ 原因はカラス…何が?

先週、神奈川県横須賀市や宮城県仙台市で大規模な停電が起きるトラブルがあった。いずれの停電もカラスが引き起こしたとみられている。この時期に多いというカラスによる停電。一体どういうことなのだろうか?

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埼玉県春日部市の駅近くにあるゴミ集積所。そこにはエサを食い散らかすカラスが。その近くの電柱には、カラスの巣が確認できる。今はカラスの繁殖期。周辺の電柱には別の巣も。よく見てみると無数のハンガーと木の枝を複雑に組み合わせ、作られていることがわかる。

さらに、都内でもハンガーが大量に使われたカラスの巣を発見。高くて見晴らしのいい場所に巣を作る習性があるため、電柱などに巣を作ることが多いという。実は今、このカラスの巣による停電が各地で相次いでいる。

先月、宮城県仙台市では3516戸が停電。この前日、山形市でも147戸が停電した。なぜ停電が起きるのだろうか?東京電力によると、巣に使われる木の枝や針金ハンガーなどが電線などに触れて停電を起こすという。

2日の取材では、巣からこぼれたハンガーが電線にひっかかっているのがわかる危険な巣も。しかし繁殖期のため、ハンガーを集めるカラスがあちらこちらに出没している。

さらに、賢さがよくわかる映像も。ベランダに干されたTシャツ。そこにカラスが現れ、くちばしを使ってTシャツの半分を落とし、カラスは物干しざおへ。そこからTシャツを落とし、ハンガーだけを持ち去る様子が映されていた。

なぜ、ハンガーを巣作りに使うのだろうか?専門家は――

鳥類学に詳しい東京大学・樋口広芳名誉教授「カラスは色のきれいなものが好きなんです。(ハンガーは)青とか赤とか白とかでね。だから好んで持って行く。頑丈ですから」

木よりも丈夫なため、ハンガーを巣の基礎部分に好んで使うという。今は卵がひなにかえる時期で、巣には親鳥からエサをもらうひなたちの姿が。この時期に人間が近づくと、我が子を守ろうとする親カラスから威嚇されるという。

近所の人「年配者の方とか翼で頭、傷つけられるもんね」「攻撃的なことがあると怖いなって感じます」

カラスが攻撃的になるシーズンだが、停電を防ぐため、板橋区では、道路が封鎖され、ひなが巣にいないことを確認しながら、飛び出したハンガーが落下しないように、丁寧に1本ずつ取り外していく作業が行われた。そして30分後、かごに収まりきらないほどの山盛りになったハンガーが。作業員によると、こうした撤去作業は板橋区と隣の北区だけでも今年に入って36件にのぼるという。

東京電力は、電柱にカラスの巣を見つけた場合は連絡をしてほしいとしている。